20160419
ミンガラ春庭ミャンマースーベニール>ブツブツしい日々(3)ナッ神とかわいい守護像たち
大切なお釈迦様を守護したり、仏法を守護する像も、さまざまです。境内には、鐘を運ぶ人や霊獣の像も建立されていましたし、釈迦を信仰している弟子や信者の像も多かったです。日本の寺では、釈迦の弟子の像として五百羅漢像などを見ることができますが、ミャンマーの寺堂や境内には、バラエティ豊かな像を見ることができました。
お釈迦様をお守りしている霊獣たち。守護神,お釈迦様に付き従う弟子や信者の姿。私の目にはユーモラスななごみ系の像が多いように思えました。日本の仏法を守る神像は、仁王さまや四天王や阿修羅像など、いかめしく強いイメージの像が多いのに対して、ミャンマーの仏様守護像は、かわいらしいのです。
また、来世への祈りをささげるお釈迦様のほか、現世の願いを聞き届けるナッ神が、お寺に祀られている場合も多く、たとえば、ナッ神信仰の本山的なポッパ山山頂の寺院にも、お釈迦様とナッ神がいっしょに祀られていました。
「ナッ」は、精霊、魔神、死霊、祖霊などを総合していて、ミャンマーの仏教徒にとっては、お釈迦様は来世、ナッ神は現世の願いをかなえてくれる、大切な存在として、仏教と並存しています。
ポッパ山の寺院など、もともとはナッ神土着の信仰場所であったと思われる場所も、仏教とナッ神信仰が混成しています。
日本の神仏習合では、本地垂迹説となり、天照大神は大日如来の仮の姿、須佐能尊は熊野権現の仮の姿、と解釈されました。(さまざまな宗派によって習合の解釈は異なりますが)
ナッ神は、習合することなく、来世担当の仏教と別の現世担当信仰として残りました。これも信仰のひとつの形かと思います。
ナッ神は、自然神でもあり、人間の形をして現れることもあり、また、日本の祟神「怨霊信仰」のように、非業死の人間が祟りをもたらすナッ神となることもあり、ナッ神はひとくちでは言えない複雑な性格を持っています。
いずれにしろ、ミャンマー仏教を理解するために、ナッ神についても知る必要があり、タイなどの東南アジアの上座部仏教とも異なっているミャンマー仏教を知るのは、門外漢のHALにはむずかしいことでした。さまざまな像を見ても、「これはヒンドゥ仏の影響を受けているけれど、仏像のひとつ」「これは、仏像ではなくて、ナッ神の像」「これは、お釈迦様の弟子」などの説明を受けても、そのときは「なるほど」と思っても、あとから写真を見ても、どれがどれやら、ごちゃまぜです。
私の理解は、目に見えるものに及ぶだけなので、お釈迦様を守護する神、霊獣、ナッ神なども、「かわいいなあ」とか、「ユーモラスだなあ」などの感想で終わっています。
以下、かわいい像を中心に、お寺の境内にある像や、レストランホテルなどの置物、壁飾りなどとしておいてあるさまざまな像。かわいかったり、不思議だったり、いろいろな像、信心深い人にとっては信仰の対象でしょうが、私は、その造形を楽しませてもらいました。
バガンの寺のナッ神
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/e0/074af8f304ade4a862762b14a6fd1fcf.jpg)
バガンホテルの壁飾り。逆立ちの像をあちこちで見かけましたが、何の神なのか、よくわからないまま。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/88/e3a4f9a21edb87c001e51351bd2e64b4.jpg)
シュダゴンパヤーの道案内像(?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/ad/0e6d4655d1a5d93ebef7ef1d18b83f2d.jpg)
ナーガ(蛇・龍)の上におわす、いったい、なんの像なのか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/98/04e420f711290ce4f9c3470b7ebedc96.jpg)
ヒンディ教の影響も強いミャンマー仏教なので、ヒンディの神々から取り入れられた仏像もあります。お釈迦様以外の像のうち、吉祥天像を紹介します。日本の吉祥天とことなり、ヴィシュヌの妻ラクシュミーという印象が強いです。
この女神さまはガルーダ(霊鳥の一種、日本語では迦楼羅)に乗っているので、祈れば霊験あらたかなんだろうと思ったのですが、その霊験は来世なのか現世なのかは、よくわからないまま。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/31/807453ebf76f046a789fc038ebf89f1e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/8b/6f6d10aaaa8ab4d5aa0c525c832186ea.jpg)
↓の左側のカラフルな小パヤー。日本のお寺の中では見られない色彩ですね。右側はナッ神だと思いますが、確認はしていません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/7a/56dde6e678775a6af1c8e87acee5bc48.jpg)
ナーガ(蛇・龍)に守られている仏陀。カラフルなナーガです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/15/7d98777f6b0789e4098f7bf1547694fd.jpg)
お寺の鐘を運ぶ像、どれもユニークな姿です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/2c/5c76e944f260d263a86f5eeae39a8d1f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/05/02ddc044ee0202878bee40dcb9de562b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/ad/e41e76a34059aa70289d49aa938004d3.jpg)
仏教信者で、多額の寄進をした人、すなわち寺院を建立した王や財宝を寄進した金持ちを像にして、礼拝の対象にするのは、恩人や両親を礼拝する文化とひとつづき。お釈迦様を礼拝するのと同じように、これらの「ありがたい像」は礼拝されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/be/4eb445490f63881ecb7dcc666a83a200.jpg)
↓いちばん右側のふくよかな方(俗語ではデブという)、なにの功徳によって人々に祀られる像となったのか。やはり、寄進多額の功だったのかなあ。あやかれるように、身体にお札がはりつけてありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/b6/1d36ed3077be3196d489ce30f78df084.jpg)
<つづく>
ミンガラ春庭ミャンマースーベニール>ブツブツしい日々(3)ナッ神とかわいい守護像たち
大切なお釈迦様を守護したり、仏法を守護する像も、さまざまです。境内には、鐘を運ぶ人や霊獣の像も建立されていましたし、釈迦を信仰している弟子や信者の像も多かったです。日本の寺では、釈迦の弟子の像として五百羅漢像などを見ることができますが、ミャンマーの寺堂や境内には、バラエティ豊かな像を見ることができました。
お釈迦様をお守りしている霊獣たち。守護神,お釈迦様に付き従う弟子や信者の姿。私の目にはユーモラスななごみ系の像が多いように思えました。日本の仏法を守る神像は、仁王さまや四天王や阿修羅像など、いかめしく強いイメージの像が多いのに対して、ミャンマーの仏様守護像は、かわいらしいのです。
また、来世への祈りをささげるお釈迦様のほか、現世の願いを聞き届けるナッ神が、お寺に祀られている場合も多く、たとえば、ナッ神信仰の本山的なポッパ山山頂の寺院にも、お釈迦様とナッ神がいっしょに祀られていました。
「ナッ」は、精霊、魔神、死霊、祖霊などを総合していて、ミャンマーの仏教徒にとっては、お釈迦様は来世、ナッ神は現世の願いをかなえてくれる、大切な存在として、仏教と並存しています。
ポッパ山の寺院など、もともとはナッ神土着の信仰場所であったと思われる場所も、仏教とナッ神信仰が混成しています。
日本の神仏習合では、本地垂迹説となり、天照大神は大日如来の仮の姿、須佐能尊は熊野権現の仮の姿、と解釈されました。(さまざまな宗派によって習合の解釈は異なりますが)
ナッ神は、習合することなく、来世担当の仏教と別の現世担当信仰として残りました。これも信仰のひとつの形かと思います。
ナッ神は、自然神でもあり、人間の形をして現れることもあり、また、日本の祟神「怨霊信仰」のように、非業死の人間が祟りをもたらすナッ神となることもあり、ナッ神はひとくちでは言えない複雑な性格を持っています。
いずれにしろ、ミャンマー仏教を理解するために、ナッ神についても知る必要があり、タイなどの東南アジアの上座部仏教とも異なっているミャンマー仏教を知るのは、門外漢のHALにはむずかしいことでした。さまざまな像を見ても、「これはヒンドゥ仏の影響を受けているけれど、仏像のひとつ」「これは、仏像ではなくて、ナッ神の像」「これは、お釈迦様の弟子」などの説明を受けても、そのときは「なるほど」と思っても、あとから写真を見ても、どれがどれやら、ごちゃまぜです。
私の理解は、目に見えるものに及ぶだけなので、お釈迦様を守護する神、霊獣、ナッ神なども、「かわいいなあ」とか、「ユーモラスだなあ」などの感想で終わっています。
以下、かわいい像を中心に、お寺の境内にある像や、レストランホテルなどの置物、壁飾りなどとしておいてあるさまざまな像。かわいかったり、不思議だったり、いろいろな像、信心深い人にとっては信仰の対象でしょうが、私は、その造形を楽しませてもらいました。
バガンの寺のナッ神
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/e0/074af8f304ade4a862762b14a6fd1fcf.jpg)
バガンホテルの壁飾り。逆立ちの像をあちこちで見かけましたが、何の神なのか、よくわからないまま。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/88/e3a4f9a21edb87c001e51351bd2e64b4.jpg)
シュダゴンパヤーの道案内像(?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/ad/0e6d4655d1a5d93ebef7ef1d18b83f2d.jpg)
ナーガ(蛇・龍)の上におわす、いったい、なんの像なのか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/98/04e420f711290ce4f9c3470b7ebedc96.jpg)
ヒンディ教の影響も強いミャンマー仏教なので、ヒンディの神々から取り入れられた仏像もあります。お釈迦様以外の像のうち、吉祥天像を紹介します。日本の吉祥天とことなり、ヴィシュヌの妻ラクシュミーという印象が強いです。
この女神さまはガルーダ(霊鳥の一種、日本語では迦楼羅)に乗っているので、祈れば霊験あらたかなんだろうと思ったのですが、その霊験は来世なのか現世なのかは、よくわからないまま。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/31/807453ebf76f046a789fc038ebf89f1e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/8b/6f6d10aaaa8ab4d5aa0c525c832186ea.jpg)
↓の左側のカラフルな小パヤー。日本のお寺の中では見られない色彩ですね。右側はナッ神だと思いますが、確認はしていません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/7a/56dde6e678775a6af1c8e87acee5bc48.jpg)
ナーガ(蛇・龍)に守られている仏陀。カラフルなナーガです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/15/7d98777f6b0789e4098f7bf1547694fd.jpg)
お寺の鐘を運ぶ像、どれもユニークな姿です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/2c/5c76e944f260d263a86f5eeae39a8d1f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/05/02ddc044ee0202878bee40dcb9de562b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/ad/e41e76a34059aa70289d49aa938004d3.jpg)
仏教信者で、多額の寄進をした人、すなわち寺院を建立した王や財宝を寄進した金持ちを像にして、礼拝の対象にするのは、恩人や両親を礼拝する文化とひとつづき。お釈迦様を礼拝するのと同じように、これらの「ありがたい像」は礼拝されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/be/4eb445490f63881ecb7dcc666a83a200.jpg)
↓いちばん右側のふくよかな方(俗語ではデブという)、なにの功徳によって人々に祀られる像となったのか。やはり、寄進多額の功だったのかなあ。あやかれるように、身体にお札がはりつけてありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/b6/1d36ed3077be3196d489ce30f78df084.jpg)
<つづく>