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ぽかぽか春庭「秋の夜道」

2016-09-03 00:00:01 | エッセイ、コラム
20160903
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>長月のことば(2)秋の夜道


母の死にはじまる秋の夜道かな(松沢昭)

 8月30日、埼玉県富士見市に住んでいた90歳の母親が、同居していた69歳の息子にベルトで首を絞められ殺害された、というニュースが、小さな囲み記事で出ていました。息子は自首してきて罪を認めているということですが、いったい高齢の母と高齢の息子の間になにがあったのか、その後の取り調べ内容については何も報道されていません。
 90歳の母と69歳の息子は同居していたということなので、老母の世話も息子がやっていたのでしょうか。その母子がどうして。

 詳細はわかりませんが、息子に母の世話をできない事情があったとして、だれも手をさしのべなかった社会が、この母の命を奪ったのではないかと思えます。
 卒寿を迎えるまで長生きをした親を自らの手で殺害した息子。いったい何があったのか、つらい事件です。

 私は24歳のとき、母を見送りました。母は55歳でした。母の死から3年ほども、私は長い夜道を歩くような日々を過ごしました。今は、母亡きあとに生まれてきた6人の孫たち10人のひ孫達を、母が見守っていてくれると思うことで、短かった母の人生も豊かな実り多かった人生だったと思えますが、それでも、亡き母の年を数え、90歳まで、99歳まで生きていてほしかったなあと、今でも残念です。医者の誤診をうけなかったならばと、悔しく思います。

 90歳まで歩んだ母親の人生を断ち切らなければならなかった息子の心、どんな思いだったのでしょうか。

<つづく>
 
コメント (6)
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