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ぽかぽか春庭「横尾忠則水のように展in 現代美術館」

2023-09-24 00:00:01 | エッセイ、コラム


20230924
ぽかぽか春庭アート散歩>2023アート散歩玄鳥去る (4)横尾忠則水のように展in 現代美術館

 現代美術館が、敬老の日無料公開を復活するというので大喜びで出かけました。
 MOTコレクション展の特集展示3階は横尾忠則特集。横尾忠則の初期状況劇場ポスターから2021年の作品まで70点、充実した展示でした。

 現代美術館の口上
 3階では、「特集展示 横尾忠則―水のように」と題し、2021年の当館での個展を機に収蔵された作品を中心にご紹介します。1960年代から近作まで、その変化に富んだ数々の作品に表れた「水」の表現に注目することで、新たな魅力を探っていきます。



「落下する男」1966

「滝」

「滝行」


「彼岸へ」2000






「意思の彷徨」2002


「暗夜行路 赤い闇から」2001


 1960年代1970年代に状況劇場などの講演ポスターを描いていたころは、ぜんぜん感応しなかった感性ゼロの私でしたが、こうして140点がずらりと特集しているのを眺めれば、突出した才能であることがわかります。いつも時代の最先端にはおいていかれる古色いろあせ人間。美術鑑賞者として残念無念な感性ですが、最先端をいち早く切り取って美術評論なんぞをものする人とはちがって、毎度毎度「おくればせながら」と見て回る周回遅れ人間ですから、いいんです。

ポスター「網走番外地」


ポスター「腰巻お仙」




「霊妙の得」2021

 横尾忠則流の寒山拾得のふたりだそうです。特集展示のポスターにも採用されているのは、2021年に現代美術館で横尾の個展開催の際、現代美術館が購入した所蔵品だから。寒山拾得がにっこにこの笑顔で描かれているのも、他の寒山拾得とは違っていいのじゃないかと思います。ふたりが座っているのが洋式便器であり、手にしているのは経文の巻物じゃなくて白いトイレットペーパーです。
 「水のように」という特集テーマですから、このペーパーも水のように流れて功徳百倍。チベットのマニ車を一回回せばお経を1万回唱えたのとおなじ功徳を得られる。今後、私はトイレットペーパーを水のように流すたびに、功徳1万回と思うことにしまう。なんまいだ。

「新香港ナイト」2021/2022

 アメリカンポップアートコレクターには大いに高値で売れそうな横尾忠則。これを1枚あげます、と言われると部屋に飾ろうと思う作品は、寒山拾得が一番かな。他の絵は、ニューヨークあたりのコレクターをターゲットに利殖めあてで1枚をもらっておきますが、ほんとうに横尾忠則が好きでたまらない、という絵がないのです。困ったことだ。高くなりそうなのに。
 もらうことはないから悩まないでもいいんだけれど。

 敬老の日、無料で見せていただき、ありがとうございました。

<つづく>
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