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ぽかぽか春庭「コペルト」

2023-09-03 00:00:01 | エッセイ、コラム
20230903
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>2023hot・hot新しい語(2)コぺルト

 新しいことばを覚えることがとんと少なくなりました。若い世代と触れ合わなくなったことが一番大きい。テレビや本から知ることばは、もうそうとう古びていることばかりだから、私が知ったころには「もうすたれている」という語になってしまう。

 新しく知ることばは、英語由来の外来語、とくにパソコン関連語は英語からの語がほとんど。
 久しぶりに英語以外の外国由来のことばを知りました。イタリア語です。
 「コペルト」は、はじめて入ったイタリアンの店でチャージされた「テーブルチャージ」でした。リネン(テーブルクロス)とパン(提供されたのは小さなふたきれのパンでした)の代金として課せられるのだ、とレジの人の説明でした。

 日本のお通しは、最初に店側に「お通しはいらない」と断れば、レシートに300円とか500円とか書いてあるほんのちょびっとの煮物とかおしんこなどを拒否できる、という裁判記録があるのだそうです。日本での店でお通しはいらないと思うなら、お通しを出すような店に入らなければいいのですが、私には見分けがつかないので、できるだけお酒が中心の店に入らないようにしているのですが。

 お昼をパスタですまそうとイタリアンの店に入ったら、ちょっと気取ったワイン中心の店。メニューに「コペルト」300円と出ていました。「リネンとパン」と説明がありました。レジの人に確認すると、英語なら「カマーズチャージです」と説明がありました。日本の洋食店でもテーブルチャージを取るところはありますが、イタリアンの店でテーブルについただけでチャージを払う高級店に入ったことがなかった、というのも貧乏暮らしのなせるわざ。
 イタリア本場ではファストフード以外のレストランではたいていコペルトがチャージされるそうです。イタリア行ったことないけれど。
 イタリア語を知っている人によれば、1)食卓に並ぶ食器   2)席料、テーブルチャージ料の意味がある。「イタリア・コペルト」で検索すれば、有名企業の食器写真が出てくる。

 白金イタリアンの店でサラダと魚フライを注文し、ふたきれの小さなパンを食べたあと、このパンをおかわりしたらコペルトに追加料金払うのかなあ、と悩んだすえに注文せず。1400円にコペルト代300円付け加わって1700円。昼ごはん、私には1700円は高級ランチだ。ラーメン900円を高いと思ってやめたのだが、これならラーメンのほうがよかった、といじましくうじうじする。無収入の失業者は悲しいね。

 これまでは、新しいことばを知るとうれしいと思ったが、コペルトは300円を払いたくないと感じる自分のケチさが情けなくて、うれしくない。コペルトとるようなイタリアンの店には今後入らないよう気をつ
けよう。
 このイタリアンの店で、客が席を立つと、ウエイターはすごく気取った手つきでテーブルクロスを取り替えます。本場のイタリアでもテーブルクロス取り替えるとき、こんな手つきなんだろうか。たぶん、この「芸」の代金がコペルトなんだろう。

 恵比寿の写真美術館へ無料の映画を見に行ったとき、おべんと持っていきました。ガーデンプレイスの広場で、チーズやマーマレードはさんだパンやゆうべの残りのミートローフをを食べる。スーパーで半額になったひき肉を使ったために、娘は「そういう肉は古くなっている」からと、食べてくれず、残った一食分をおべんとうにしたのです。

 「今日も交通費以外はお金使わずに一日楽しくすごせた」というのが、「無職生活の勲章」みたいな気になっている。貧乏と言っても、戦場にいるウクライナの子どもとか、オデーサから穀物輸送ができなくなってとうもろこしが急騰したためにアフリカで飢えている子供に比べれば、半額ひき肉のミートローフであれ、喰っているのだから嘆くまいと思うのですが、半額ひき肉も買えなくなる日も近い。かわいそ。
 せいぜい新しくI know!することで脳を活性化できるように、明日もなんか知ることができますように。

 テーブルにある水は無料というのが、日本のレストランのいいところ。
 おいしい水はおかわり自由


<つづく>
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