▲雪野原がキャンバスとなって、花火の色を広げていく
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週末は新潟でガッツリ雪花火。
ということで、長岡に到着。悠久山口に出て、花火の駅を訪問。皆さんの花火写真を見る。まぁ、私もそうだけど、人様とだぶらないように出品する作品は珍しい方へ珍しい方へと流れるのよね~。結果、長岡の展示だというのに、三尺玉が一つもないという事態に(笑)
こちらでお会いした方の車でapitaまで送っていただき、楽々会場入り。
ところが、なんだか天気がぁ~。
♪ぶーりーざ~ど ぶ~りざ~ど♬ と白いカーテンに向かって歌ってみるものの、土手上、激寒っす。まだ、装備付けていないしね。
とりあえず、いったん屋内退避して、いろいろと吹雪仕様に着込む。その上でもう一度出陣し、土手上、水道タンクの正面に陣取る。
うーん、2年前のホワイトアウトを思い出すなぁ。お向かいの水道タンクが時折見えなくなるんですが~。
とかしているうちに、なんだか雪が収まった。その隙にそりゃ上げろー!とばかりにスタート。まぁ、途中からまた振り出しちゃったんだけれどさ…。
▲冒頭の八重芯
初っ端の八重芯が意外とよい。どこの玉かなぁ~。多分今年も嘉瀬煙火の打ち上げだろうから、玉は他所からの仕入れなんだよね。この緑は下越の方かなぁ…。
その後、メッセージ花火が2台続く
▲3号、5号、7号、尺の四段打ち。南の国からアローハ~
あんまり評価されないけれど、私は段打ちが好きだ。
花火とはこういうものだという「刷り込み」も多分にあるけれど、日本の花火の様式美の一つだと思う。小千谷や片貝ではこういう打ち方が一般的だし、長岡でも番外ではないものは結構こういう打ち上げがされている。他県では長野のえびす講で見るぐらいかな…。
小さい花火大会をめぐるとあるのかなぁ…。
▲雪も赤く染まる バレンタイン花火
そうそう、この日はバレンタインということで、私もいくつかチョコを仕込んでいった(今変換で猪口と出て反省している酒飲みである orz)。
ベルアメールの面白いチョコを仕込んでいったのだ。ビーフジャーキーチョコとか、柿の種チョコとか、カレーチョコとか…。ちなみに個人的当たりとしていたのは、中にソーダを仕込んだものだっただけどね。口の中でシュワシュワする。花火でいえば霞草って感じかな。「ジョワ」って感じが。
本当は、オリオール バラゲのマスクレーター(花火)を仕込みたかったのだけど、現在の日本では輸入していないらしい。このマスクレーターがパチパチチョコだったのよね…。
まぁ、おいしいチョコを引いて行ったみなさんも喜んでいただいたからよかったけれどさ…。
▲雪だるま花火も
ハートと雪だるまの型物も無事上がり、淡々と進行していく。
と、再び雪が降ってきた。
▲ベスビアス大スターマイン。この辺り、湿っぽい雪が降っていて、レンズがぁ~(拭けよ)
ちなみに、このベスビアスというのは、新潟でしか通用しません。というか、ほぼ長岡エリアだけ(笑)
▲白菊とワイドスタート!
このワイドスターマインは、中越大震災復興10周年記念花火である。
2014年は、新潟県中越大震災から10年という年だった。2015年にはなったけれど、10年前のこの頃は、まだ山古志や小千谷の塩谷などは全村避難を続けており、そんな中追い打ちをかけるような大雪となった冬。誰も住まない集落の家を守らねばと、無人の村に雪下ろしに出かける人々など、まだまだ大変な時期であった。川口の伯父さんも塩谷の叔母さんもまだ仮設住宅だったし…。
でも雪は、崩落した崖を白く染め、崩れた家の残骸を包み、一時の心の休息をくれた。
私の実家は、幸い一部損壊で済んで、その規模もごく小さく、そのまま住み続けることができた。そんな状態で、私が一番ショックだったのは、自然の崩壊。長年営んできた植生が崩れ、地肌がむき出しとなり、巨大な石がゴロンゴロンするのを見た時が、実は一番ショックだった。
雪は一時期だけど、それを覆い隠してくれて、大雪の中、ホッとする自分がいたことを思い出す。
▲ワイドスターマインはなんだか緑一色になっていく
そして雪は融けるもの。溶けた後には春の草花が生い茂ってくれることを思い出させてくれた。思い返せば、私が山野草に目覚めたのも、この地震がきっかけだったりする。
翌春、茶色い山に新たな芽吹きがうまれた。
人間の生活がどんなに崩れたとしても、自然は淡々とその営みを繰り返していくものである。そのことは残酷であり、優しさである。
そして、崩落した斜面への最初の侵入者は実は山菜だったりする。そしてその新たな山菜ポイントに人々が入り込んでいくという、自然も人間も意外と強いものだと思ったのもその春だった。
▲フィナーレは二尺玉。昇曲導付小割浮模様←ってアナウンスしていたけれど、花火本体の名前がないんかい!? 曲導と後の小割しか言っとらんやん
そしてフィナーレの二尺。
なんだか肩の張りが良くないが、スーッとすだれのように落ちていく引き先はこれはこれでなかなか(笑)
早々に片付けて、次の花火に向かうのであった。