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久々の悪条件「新作花火コレクション」

2016-03-27 21:47:00 | 花火

▲開幕前、霧が晴れてクリアになったのだけど…。

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 天気予報は、雨のち曇り。どうやら花火の上がる間は雨は落ちなさそうという予報で出かけた、大曲の新作花火コレクション。
 3連休なので設定されたと思われる6:00発の臨時こまちは、(私の車両は)乗車率50%程度で秋田県に入った。新幹線は雪の少ない車窓を映しながら疾走する。県境の山の中で、ふきのとうを見つけた時はマジかよって思った。
 峠を越えて標高を下げていくと、ガスが周りを覆いだす。遠くに見える山の頂は軒並み雲の中であった。





▲オープニング花火、上げている場合ではなかった


 大曲の駅でタクシー相乗りをして会場へ。
 大曲ファミリースキー場も霧に包まれていた。足元には雪が残り、空気は暖かいという典型的な春の雪霧だ。うーん、これでは花火が見えない…。だがまだ午前中である、夜に回復するという予報を信じるしかあるまい。




▲ハーフタイム花火「青色研究」
 大曲花火協同組合、足利工業大学の産学共同研究事業

 午後になり、パンフレットの売り子に出る。だが外はまるで異世界へ通じるような霧。雨もまだ止まない。それでも駐車場の車の中にいる人に何冊かお買い上げいただく。
 その途中、今日は花火上がるの?って聞かれる。少しずつ悪くなる天気予報を見ながら、夜には上がりますから…と答える。




▲ハーフタイム花火「青色研究」

 15時に止むとされた雨は16時になってもまだ降っていた。
 会場は風によって霧が晴れたり停滞したりの繰り返し。17時を過ぎると団体客も訪れるようになり、にわかに賑やかになる。そのころになると雨こそは止んだが、湿度は高いまま。




▲インターバル花火「世界の花火 日本の花火」

 開始直前になって、会場へ。
 スタンバイ完了時、霧は晴れて、空は澄んでいた、この時は…。
 



▲ファイナル花火「和火進化論」

 その後、開会のあいさつなどが続き、その間に十分に周りは暗くなった。
 そしてオープニング花火。
 審査基準となる標準審査玉が上がる。


 あれ? 山から霧が下りてきている!?




▲標準審査玉「古都の花絵巻」

 ちょうど花火が開く位置に、霧が下がってきている。そしてその霧はさらに下がってきて、以後の花火がことごとく霧に食われるという…。周囲の観客の「あー」という声が響くのみ…。

 それでも第1クールはまだましな方だったのかもしれない。第2クールに至ってはほぼ合掌状態。
 インターバル花火もトラしか見えんしったしなぁ…。まぁ、そういう天気の采配になってしまったのだから仕方ない。


 ということで、以下の入賞花火にはかなりコンディションが悪いのを、現像の過程でグリグリいじり倒したのもあるのでご容赦を…。




▲審査員特別賞「ちいさなかわいいお花たち」和田順:神奈川県・ファイアート神奈川

 ただでさえ大きくない4号玉5号玉の内側に、さらに小さな玉をいくつも仕込むという「千輪」という種類の花火で小さな花を表現。昨年の菜の花もよかったけれど、これもとてもよかった。




▲銅賞「一虚一実『菊型に差し色』」瀬沼輝明:新潟県・小千谷煙火興行

 私の田舎から初登場の煙火店。コンディションの良くない第1クールだったけれど、なんと入賞されました! 前半だけでもわずかに玉が見えたのが幸い。




▲銅賞「floral」小幡知明:群馬県・菊屋小幡煙火店

 小幡さんは第3クール。色ごとにまとめた花を打ち上げて、写真的には薄霧に反射して空気まで染まるというファンタジー。
 小幡さんの日ごろの行いがよかったために、この後コンディションが好転したという「キッカケの花火」
 ※えぇ、このネタ使い倒しますよ!!




▲銅賞「レインボール」飯田茂雄:山梨県・齋木煙火本店

 本店さんの工場長は第2クール。一番コンディションよくなかったと思われるのだけど、とにかく明るい花火なので、霧のスクリーンを通り越してしっかり見えた。そして虹色虹色虹色。虹って、空気中の水蒸気がないと見えないからねw

 


▲銀賞「曼荼羅~光がおりなす世界~」坂井崇嗣:福島県・菅野煙火店

 いぎなし八重芯来たよ。しかも、きちんと丸い。正義だ!
 二次会で、大学が新潟だったって分かって、一気に親近感がわきました!!




▲金賞「陽炎の花~ゆらめきときらめきと~」気賀澤文平:長野県・伊那火工堀内煙火店

 今年の優勝は、伊那火工堀内煙火店の花火師さん。明るい錦を昨年に続いて出してきた。太い星のラインは存在感ありあり。ってか、レンズ曇っているよなぁ…orz




▲花火鑑賞士賞「栄光の勲章」今野貴文:秋田県・北日本花火興業

 通常の審査枠とは別に、花火鑑賞士が当日会場で投票して選ぶ賞がコレ。実は私は別な人のを選んだのだが、この花火も迷ったので納得。この日最年少の地元大曲の花火師である。まったく可愛くってあざといぜ(褒め言葉)
 二次会では親子で日本酒を持ってついで回っていたよw

 


 花火終了後は、レセプションと二次会へ。
 さすがにこのコンディションでの審査には時間がかかったようで、押し気味の進行となった。きっちりと審査概要が説明され、それぞれに納得いく理由付けがされていた。
 
 夏の大曲もそうなのかもしれないけれど、この部分がオープンになってもいいと思うんだよね。


〈おまけ〉
 今回のプライベート花火では花火仲間が花火を打ち上げた。コンディション的には最悪の時だったけれど、せっかくなので記念掲載


▲プライベート花火6「昇曲付紫芯菊先青光露」


▲プライベート花火7「ももいろ花嵐」

 この後の花火はきっと空の上から見えているよ…。