▲大会提供「生命のまつり」その姿、いと美しきなり
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8月の花火の予定は大曲が最後。7月後半から8月前半にかけての怒涛の花火観覧ピークをクリアした後、あとは大曲だけと…。そうゆったり構えていたら、なんだか前日大変なことに…。
前日の8月25日朝、雄物川の水があふれた。場所は大曲の花火会場であった。心配しつつ出勤をしてみると、状況はもっとひどいことになっていた。
A桟敷の上まで水が出ているじゃないか!? これはマズイ。これ以上水量が増えて桟敷が流されるような事態になると、花火開催できないぞ…。ということで、仕事をしながら時々雄物川の推移をチェックするという状況となる(後で注意された)
幸い、水位はピークを過ぎて徐々に下がっているようだが、それでも翌日の開催が確信持てない。公式HPには、翌日(開催当日)の朝6時に判断をするとの表示。
マジかー。
じたばたしてもどうにもならないので、開催を信じて荷物整理。翌朝を迎える。起きたのは7時過ぎであったが、無事開催の報。
例年6時の新幹線を予約しているのだが、今年に限ってはなぜか10時台の新幹線を予約してあった。例年通りだとヤキモキしながらの出発だったが、ちゃんと開催決定が分かってからの出発は気分がよい。
満席につき、立ち席特急券の客も載せるといういつもの感じで、東京から出発!
大曲に無事到着し、早めにホテルチェックインもできた。
花火講座を行っている花火庵で知り合いに挨拶をして、会場へいざ!
歩きつつ、人手の少なさを実感。会場までの道が歩きやすい。いつもなら自分のペースで歩くのが困難なほどに道が混んでいるのだが、今回は例年に比べてスカスカであった。
前日の段階で断念した人とかツアーとか結構あったようだ(使えない予約駐車場も発生していたし)。
会場に到着。
前日まで水を被っていた風情はみじんも感じさせない完全な会場整備に涙が出そうになる。河川敷通路が泥だらけになっているかなぁって思っていたが、私の移動する辺りは普通の靴でも問題ない状態であった。
私の席自体は、水を被っていないことはチェック済みであり、荷物もひとまず置く。その足でスイカを買いに…。
昨年、某入り口付近で羽後のスイカがカットして売られていることを知ったので、その調達である。知人の分も含めて両手をスイカでいっぱいにしてみんなで食べる。いつもよりちょっと涼しいけれど、大曲の夏である。
やがて時間がたち、昼花火の打ち上げ刻限となる。
今年から昼花火も総合優勝にかかわってくるということでスタンバイ。会場の大半から、昼花火の位置が太陽と重なって見づらいという難点はあるものの、今年はきっちりサングラス持参で万全である(審査員も黒いサングラスをかけるという状況である)。
風は対岸からこちらに向かって吹いてきており、昼花火をつるす落下傘が観覧席に向かってくるという状況。A桟敷やC桟敷に着地したのを見た。思わず拾いに行こうかと思ったよ。
▲北日本花火興業の昼花火「招福開運-空からのメッセージ-」(スマホ撮影)
なお、落下傘の先には直前まで燃えていた煙管が付いているので、拾うときには火傷には気をつけましょうね。
昼花火も無事に終わり、7月の水害(7月にもここは水を被った)被災者への応援花火も終えて、いよいよ夜の花火の開始となる。
大曲の花火は競技花火である。
以下入賞作のみのご紹介
【創造花火の部】
★優勝★「水辺に集う蛍~光を燈し・舞う~」
長野県 伊那火工堀内煙火店
清流の流れる音とともに川の流れを表すかのようなゆったりとした和火の柳。そこについっと1匹の蛍が横切るという… そんな世界を見事に表現してくれた。創造花火は「音楽」でなくても「音」でよいということを発見してくれたその発想が素晴らしく、そして花火にもマッチしていた。
なお、この後、蛍はまるで群生地のように大量に発生して緑の光跡の一大乱舞となる。個人的にはこの1匹の動きの方が好みである。この辺りは、原体験の違いかと…。実際の野の蛍を見て育ったか、観光地としての蛍群生地で見ているかという…。
★準優勝★「光の鼓動~むすんでひらいて~」
茨城県 野村花火工業
時間差で内側~外側の輪が明滅する技で開いたり閉じたりを表現。手慣れた安定感はさすがである。現場が多く、また玉の提供も多いから仕方ないが、新玉があまり見られないのが残念なのよね、野村さん。
★優秀賞★「宇宙~星の誕生」山梨県 齊木煙火本店
神明でこの試験版を見たわけだが、もちろん仕様が異なるからそこからの進化が見られる。相変わらず星の美しさにうっとりとなる。
★優秀賞★「煌く星に魅せられて」新潟県 片貝煙火工業
大曲初出場で入賞ですよ!! まぁ、立場上競技会にはあまり出なかったという面もあるようで…。満星・抜き星で表現される☆の型物は、大曲では初見だろう(赤川では出していた)。今回は、持ち玉を大曲向けにうまく組み合わせた結果、バチッとはまったように思う。来年以降のさらなる期待は地元人としては当然前のめりであるw
★入賞★「光の雫」山梨県 マルゴー
★入賞★「夜桜フェスタ」長野県 篠原煙火店
★入賞★「色褪せぬ花」群馬県 菊屋小幡花火店
【10号玉 芯入割物の部】
★優勝★「昇曲付五重芯変化菊」
茨城県 野村花火工業
強すぎる!!
★準優勝★「昇銀竜五重芯変化菊」秋田県 小松煙火工業
野村さんの連覇を早く止めてください!!
★優秀賞★「昇り分砲付四重芯菊先緑紅銀乱」
長野県 伊那火工堀内煙火店
このまっすぐ上がらない感じは、私的にはアレなんですけど…。
★優秀賞★「昇り曲導付四重芯変化菊」
東京都 丸玉屋小勝煙火店
今回の「丸さは正義」賞。でもその基本の〇が崩れるところも少なくないからね
★入賞★「昇曲導付五重芯変化菊」群馬県 菊屋小幡花火店
初の五重芯チャレンジ! ちゃんと出ていたと思う。「四重芯の」看板を掛け変える日は近い。あと、配色が好きです!
★入賞★「昇曲導付四重芯菊花の誉」長野県 篠原煙火店
私の席からはこんな感じでした(審査員席近いよ)。
★入賞★「昇曲付三重変芯変化菊」愛知県 磯谷煙火店
磯谷さんの三重芯は、いつ見ても端正ですな。きれいに見えるのは三重芯までだという考えは重々承知のうえで、もう一段階上を見てみたいわがまま。
【10号玉 自由玉の部】
★優勝★「キラキラ万華鏡」茨城県 野村花火工業
これも、見たことある花火なんですよね~。もちろんブラッシュアップしてきているんでしょうけれど。野村さんにとって、大曲ってフィギュアにおけるフランプリファイナルみたいなもんなんでしょうなぁ。
★準優勝★「輪廻の讃花」群馬県 菊屋小幡花火店
小幡さんのこの盆の大きな和火シリーズ好きです。和火の先にとっておきの色を履かせるのはもうオシャレで、和火のモダン化を感じますね。このカラリングもいいんだと思う。
★優秀賞★「虹色のグラデーション」山梨県 齊木煙火本店
形が…って言わなくても分かっていますよね。だから何故という…。
★優秀賞★「昇分砲付八重芯朧柳」長野県 伊那火工堀内煙火店
これが大曲の好みであることは重々承知している。確かに金砂は美しい。あえてこれを出してくるポシリーもいい。完全玄人受けがあってもいい。
★入賞★「昇り曲付八重咲螺旋花」山梨県 マルゴー
向きがぁ!!! 審査員席からもあまりい角度ではなかったはずなのに、ちゃんと入賞しているのは信頼感か…。ってか、これ平面型物的割物で、向き制御ができなければ、ここに出してくるとは思えないので、きっと何か勝算があったはずと勘繰るw
★入賞★「天空のユートピア」秋田県 北日本花火興業
通称プリンス玉(個人的に)。あと、この配色片貝っぽい(わかる人だけわかる話)
。
★入賞★「ラピスラズリ」愛知県 磯谷煙火店
思ったよりラピスラズリ色ではないと思ったけれど、結構色にばらつきがあるんだよね。形は好きなので、これブラッシュアップして定番化してほしい。ちなみにラピスラズリは日本語では瑠璃。正倉院にも瑠璃杯というのがある。某ひたちのネモフィラも瑠璃唐草という
【昼花火の部】※文字情報のみ
★優 勝★「直線と螺旋」秋田県 小松煙火工業
★準優勝★「昇曲導五色煙竜に群蜂の戯れ」
新潟県 阿部煙火工業
↑初出場での入賞おめでとうございます!! 新潟ではこ
のタイプの昼花火をあまり見ないので正直その完成度
に驚いた。客席から自然と湧き上がっていた拍手と
歓声届いていたでしょうか…。
★優秀賞★「空とマジワル墨アート」静岡県 三遠煙火
★優秀賞★「昇曲付煙竜の舞」群馬県 菊屋小幡花火店
★入 賞★「雷鳴に煙竜の舞」新潟県 新潟煙火工業
「昇煙竜遊飛煙蜂」長野県 信州煙火工業
「夕暮れに彩煙連竜」長野県 太陽堂田村煙火店
ということで、本年の総合優勝は以下の通り
★内閣総理大臣賞★
茨城県 野村花火工業
その他特別賞は
★観光庁長官賞★
山梨県 齊木煙火本店
★日本煙火協会会長賞★
新潟県 片貝煙火工業
★佐藤勲賞★←今年新設
長野県 伊那火工堀内煙火店
各社、素晴らしい花火をありがとうございました\(^o^)/