年々、東京の春は前のめりに展開しているような気がする。
近場の善福寺緑地は3月22日には7・8部咲きになっていた。東京の桜はせっかちだ。
満開のころにもう一度行こうかと思っていたけれど、そういえばあっちも桜咲いているよなぁと、約1週間後の平日に昭和記念公園へ赴く。
駅からエントランスに向かうと、平日だというのに入場券を買う列が…。うへぇと思いつつ、ゲートに向かうと、交通系ICカードで入場できますよ~という係員のアナウンス。鉄道系の入場と同じように、ピッとタッチするだけで料金が引き落とされてするっと入場できた。あぁ、これはいい。
園内は桜がまさに見ごろ。昭和記念公園の桜は結構年季の入った木も少なくない。平日ではあるが、閑散としているわけではなく、見頃のこの日も結構な人出(とはいえ、密集には程遠い)で、皆先へ先へと歩いていく」。
チューリップエリアに到着すると、今年もちょっとだけ小高い所にしだれ桜が花を揺らしていた。色とりどりのチューリップは毎度見事な咲きっぷり。見上げれば、樹齢50年クラスのソメイヨシノが花を湛え、時折風に乗って花弁が舞っている。人々は、スマホで花々を写真に納める。
芝生の上に敷物を強いて、くつろぎながら桜を見上げる人々も少なくない。
そんな風景を歩きながら見つつ、ずんずんと前に進み、こもれびの森へ。このエリアは、地元のボランティアスタッフが昔ながらの武蔵野の風景を維持されている。とはいえ植栽はされているが、桜のような華々しいものではなく、ニリンソウやスミレ、イカリソウ、スミレなどが咲いている。その小山の向こう側に行くと、カタクリやヤシオツツジなどが咲いている。よく見れば、春蘭も‼ 春の女王だ。
◀春蘭
そこから、菜の花畑に出る。ん!?ドレス来ている人がいるぞ。どうやら、ウエディング写真を撮りに来ているようだった。
菜の花畑の横には、かつての武蔵野の建物などを再現したエリアがあり、その手前にセツブンソウのエリアがあるが、2月に咲くセツブンソウはすでに消えてしまっている。いま思えば、福寿草もなかったな。坂を下って、源平桃などを見て、広場へ向かう。その途中にあるロウバイエリアは、とうの昔に花が終わっていた。
広々とした原っぱは、足下に菜の花が咲き乱れ、北と西には桜の花が満開。ギリギリ盛りの時期なので、ちょっと風が吹くと桜の花びらがひらひらと空を舞う。遠くから見ても近くから見ても、花見のピークである。
時計を見れば、昼を過ぎていたので、キッチンカーで昼食。空いていた椅子に座って、菜の花と桜を見ながら休憩する。自宅の近所の桜並木は早々に咲き進んでいたが、ここはまさにピークと言った様相で、ふらっと行った割りにはいいタイミングだった。
公園内にはいくつもの花見ポイントがあって、今回は、そんなエリアにも足を向けた。いやぁ、あっちにもこっちにも桜が咲き乱れ、人々は思い思いのスタイルで桜を楽しんでいる。何度もここに来ているが、今回は本当に桜の多い公園だなってしみじみと感じ入った。え、そんな土手の向こうにも桜並木あるの!?
▲フデリンドウは小さくてかわいい
春はなんだかんだと結構訪れる昭和記念公園ではあるが、そろそろ今年は夏の花火の復活を願いたい。