最近様々な企業の方から「LINEは世界で急成長していて素晴らしい」とお褒めの言葉をいただきます。本当にありがたいことではあるのですが、もっと日本の企業は良いところを生かせば海外で活躍できるのではと思っています。今回はどうしたら日本企業が世界で活躍できるようになるのか、私の考えをまとめてみたいと思います。
まず日本の企業、もしくは日本人の強みというところですが、大変きちょうめんで細かく物を作り、正確で品質が高い、デザインなどに関して繊細な感覚がある、我慢強く真面目にやり遂げるところがある、約束を守る、人を大事にする――など、良いところがたくさんあると思います。
ただ、ことビジネスということを考えると、これらの良い点を結果的に成果につなげなければ意味がありません。そして成果につなげるためには、まず良い製品やサービスを生み出すことが重要です。現状の商品やサービスのうち日本で成功しているものを、まず海外で販売してみてはどうでしょうか。
変に悩み、こねくりまわして中途半端なものを出すよりは、まず現状の商品やサービスをそのまま出して、反応を見てから改善するというほうが早く現地のニーズに合わせられると思います。
時として日本市場向けの製品やサービスはコストが高くなり、新興国では受け入れられにくいケースが出てきます。この時重要なのが、日本人の強みであるデザインのセンスをいかすことです。
デザインから考えて無駄をそぎ落とせば、シンプルで使いやすく、かつわかりやすくなります。開発速度が速くなったり、エラーが無くなったり、コスト削減につながったりなど、いい方向に進む可能性もあります。
日本人の我慢強いとか、人を大事にするというところは、変化しにくいという欠点につながる場合があるので要注意です。デザイナー中心に海外展開したほうがよい結果が生み出せるのではないでしょうか。
日本の飲食やサービス業、そしてIT(情報技術)分野やモバイル分野などについては、他国のものに比べ一歩も二歩も進んだところがあります。その良いところ、新しいところを、いかに海外に持っていくかを検討すべきです。
モバイル分野については、従来型携帯電話の時代に流行ったサービスやビジネスモデルを、もう一度見直しスマートフォン(スマホ)に置き換えて見ると、新しい可能性が見えるのではないでしょうか。今後スマートフォンは新興国を中心に低価格の廉価版の普及が予想されています。そうなると、従来型携帯で人気のあった、低機能の端末でも楽しめるようなサービスにも需要があるでしょう。
今後、ウェアラブル(装着型)端末の成長も期待されています。日本のモノ作りの力と、モバイルサービスのノウハウを融合すれば、新しいサービスやビジネスのモデルが作れるのではないでしょうか。
日本人の謙虚で、まずマイナス面から捉えるところ、そして一度決めると頑固に変えないところ、更にエンジニア経営者の場合に機能を作りすぎてしまうところなどは、変化が速い現在の市場においてはマイナスに働くケースが多いと思います。
デザインやマーケティング中心に、多少リスクがあっても、まず小さく始めて反応を見ながら、速いスピードで改善を繰り返す。これこそが今後の日本企業の成功パターンにつながるのではないでしょうか。
[日経産業新聞2013年10月31日付]
まず日本の企業、もしくは日本人の強みというところですが、大変きちょうめんで細かく物を作り、正確で品質が高い、デザインなどに関して繊細な感覚がある、我慢強く真面目にやり遂げるところがある、約束を守る、人を大事にする――など、良いところがたくさんあると思います。
ただ、ことビジネスということを考えると、これらの良い点を結果的に成果につなげなければ意味がありません。そして成果につなげるためには、まず良い製品やサービスを生み出すことが重要です。現状の商品やサービスのうち日本で成功しているものを、まず海外で販売してみてはどうでしょうか。
変に悩み、こねくりまわして中途半端なものを出すよりは、まず現状の商品やサービスをそのまま出して、反応を見てから改善するというほうが早く現地のニーズに合わせられると思います。
時として日本市場向けの製品やサービスはコストが高くなり、新興国では受け入れられにくいケースが出てきます。この時重要なのが、日本人の強みであるデザインのセンスをいかすことです。
デザインから考えて無駄をそぎ落とせば、シンプルで使いやすく、かつわかりやすくなります。開発速度が速くなったり、エラーが無くなったり、コスト削減につながったりなど、いい方向に進む可能性もあります。
日本人の我慢強いとか、人を大事にするというところは、変化しにくいという欠点につながる場合があるので要注意です。デザイナー中心に海外展開したほうがよい結果が生み出せるのではないでしょうか。
日本の飲食やサービス業、そしてIT(情報技術)分野やモバイル分野などについては、他国のものに比べ一歩も二歩も進んだところがあります。その良いところ、新しいところを、いかに海外に持っていくかを検討すべきです。
モバイル分野については、従来型携帯電話の時代に流行ったサービスやビジネスモデルを、もう一度見直しスマートフォン(スマホ)に置き換えて見ると、新しい可能性が見えるのではないでしょうか。今後スマートフォンは新興国を中心に低価格の廉価版の普及が予想されています。そうなると、従来型携帯で人気のあった、低機能の端末でも楽しめるようなサービスにも需要があるでしょう。
今後、ウェアラブル(装着型)端末の成長も期待されています。日本のモノ作りの力と、モバイルサービスのノウハウを融合すれば、新しいサービスやビジネスのモデルが作れるのではないでしょうか。
日本人の謙虚で、まずマイナス面から捉えるところ、そして一度決めると頑固に変えないところ、更にエンジニア経営者の場合に機能を作りすぎてしまうところなどは、変化が速い現在の市場においてはマイナスに働くケースが多いと思います。
デザインやマーケティング中心に、多少リスクがあっても、まず小さく始めて反応を見ながら、速いスピードで改善を繰り返す。これこそが今後の日本企業の成功パターンにつながるのではないでしょうか。
[日経産業新聞2013年10月31日付]