『メトロに乗って』その99。今回は都営地下鉄大江戸線赤羽橋駅を取り上げる。赤羽橋駅を降りると目の前に真っ赤な東京タワーがそびえ立つ。周辺の黄葉したイチョウとのコントラストもよく、また、スカイツリーよりかなり低いのだが、存在感がある。
目の前を桜田通りが走り、すぐ先の古川にかかるのが駅名と同じ赤羽橋である。名前の由来は江戸時代には古川のうち赤羽橋周辺は赤羽川と呼ばれ、また中の橋の間は赤羽河岸と称していたことに由来する。
江戸前期には古川が浚渫され、その時に木製の橋が架けられた。現在の橋は1974年に架けられた簡素な鋼橋である。ただ、それ以前の橋の親柱が1つだけ、少し離れたところに残されているが、説明板すらない。
反対側には伏見三寶稲荷神社という小ぶりな神社、小林七兵衛という人が三寶稲荷神社を移転させ、さらに京都伏見稲荷大社から勧請したものらしい。不思議なことに赤羽橋交差点の方を向いている。
次に、古川に並行する道を歩くと『災除地蔵尊』が現れた。これは江戸時代より大きな地蔵尊があったのだが、戦災で焼失。その像の守護札の版木を元に石像として再興したものとあった。
さらにその地蔵尊が祀られていた妙定院という寺院がとなりにある。第9代将軍徳川家重が尊師とした増上寺住職定月により開かれた寺院で家重の菩提を弔うために1763年に開創された寺院で増上寺別院と位置付けられた名刹であった。
次の橋が芝園橋、芝公園から付いた名前のようでここで日比谷通りと交差する。高速道路の下にあって目立たないが、立派な親柱がある。
この辺りの向かい側には芝公園、さらにテニスコートなどがあり、中高年者が楽しそうにダブルスを組んでいた。(以下、次回)