国立新美術館で開催中の佐藤可士和展に足を運んだ。今、日本のクリエイティブディレクターでは最も売れっ子の佐藤氏の作品が一堂に会しているという前振り。そもそも国立新美術館のロゴも佐藤氏の作品である。
会場は時間予約制で大人1人1700円とかなりの高額にも関わらず、また、この展覧会が開始してから1ヶ月以上経過しているにも関わらず、会場は長蛇の列。これでは時間予約制もあまり効果がない。20分近く並びようやく入場した。
まずは彼のこの仕事につくそもそものきっかけなどが紹介されている。小学校5年の時に初めて描いた絵が2枚、1つはデザイン的なもの、もう1つはアリが向かって来るものだが、さすがである。
展示室は大きく使っているが、彼の出世作のHonda ステップワゴン。大胆である。彼の『自分が主役ではなく、あくまでブランドが主役』という考え方がはっきりと現れている。
さらにパルコ、SMAPなどのブランドやロゴのみではなく、キャンペーングッズまで並べられているからを余計に引き込まれてしまう。
その中で私の目を惹いたのはキリンちびレモン、そのキャップの遊び心、見るだけで楽しくなる。また、Loftのクリスマス用の紙袋、今も大切に取ってある。とにかく、あれもこれも佐藤氏だったと呆れるほど。
次の部屋はロゴの固まり。シンプル極まれりといったロゴの中でも代表的なセブンイレブン、ユニクロ、今治タオル、楽天、国立新美術館、日清食品、三井物産いずれもすごい。さらにこれらの精密な設計図も興味深かった。
そこからは佐藤可士和氏作の有田焼などのデザインの部屋、子供には受けていない。しかし、くら寿司やユニクロ、吹田の病院、幼稚園など夢が詰まった作品はただ見入るばかり。
その中で歌舞伎界とコラボした作品の美しさにやはりこれは芸術だなあと感じた。他にも楽天パンダがいたり、カレーメシのポップが溢れたりと飽きさせない作品展であった。まあ、やりたいクライアントがいても高くて手は出せないだろうが。
新国立美術館で5月8日まで開催予定であったが、緊急事態宣言により4月24日で終了、GWに沢山の人が見ることが出来なくなったことは残念である。