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『鉄道シリーズ』その207。ところでみなさんは幅43.2cmと聞くと何を連想するだろうか?実はJIS規格で定められた乗客1人あたりの座席の幅である。規格が定められたのは1979年、その後もだんだん、体格が良くなってきている日本人に合わせて最近の新型車両は各社とも座席の幅を45cmくらいには広げてきてはいるようであるが。
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にもかかわらず、私が半蔵門線の東京メトロの車両の席の幅が狭くなったような気がするのはなぜなのだろうか。現在、半蔵門線に乗入れている車両は東急は5000系、8500系、8590系が主力、東武は30000系、50050系、東京メトロは8000系、08系となっている。
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その中で東京メトロの車両は特に狭く感じるのであろうか。座席はどの会社も3ー7ー7ー7ー3とシートが分割されているのだが、東京メトロの車両はこのうち7人掛けの席に関してはまず、改造時に『3人ー4人』に分割するためのスタンションポールを1本入れた。
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さらにその後、スタンションポールを1本増やし2本にして『2人ー3人ー2人』と座るように改造された。その中でも端の2人席は女性か小柄な人でないとかなりきつくなる。私も決して小柄ではなく、尻はともかく肩幅もそれなりにあるため、朝のラッシュの時間はこの席が1人分空いても中々座る勇気がない。よく考えてみれば当たり前で元々狭い座席に二本ポールを立てるだけでも狭くなるのである。
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さらに圧迫感が増したのは座席の端の部分は仕切り板となっていることである。東急の車両は両端がポールしかないのもあり、この場合肩を避けることができるが、東京メトロの車両はできない。逆に壁際に立つ人は仕切り板にもたれられるかもしれないが。
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東京メトロのHP上でも『メトロのお約束』として一人当たりのシート端の改善をうたっているが、2017年は銀座線・東西線・日比谷線に限られているようである。2018年3月末に2020年を目処に東京メトロは半蔵門線に新型車両を投入し、その設計を開始したニュースが流れたが、私鉄各社が有料特急開始など通勤の快適性を求める時代こそシート幅の拡大に是非取り組んでもらいたい。
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