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鉄道シリーズその25。今回はトロリーバスについて載せて見たい。トロリーバスは道路上に張られた架線から取った電気を動力として走るバスである。また、トロリー(trolley)とはポールの先端にある滑車のことである。鉄道の扱いを受けており、無軌条電車と呼ばれている。
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トロリーバスのメリットは電気で走ることから排気ガスや騒音も少ないなど環境に良いばかりでなく、かつては力の弱いバスより、安定し、しがも長持ちするメリットを活かして大都市には敷設された。しかし、路面電車同様道路の混雑の際に優先通行をしたため、その解消の必要性が高まり、一方で高性能のディーゼルエンジン搭載の新型バスが開発されたことから、都電のように惜しまれることもなく、大都市からは消えていった。
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トロリーバスの歴史は古く、1882年にドイツで開発された。日本では今の阪急が花屋敷~新花屋敷間1.3キロに1928年に建設したのが、嚆矢。ただ、運転効率が悪く僅か4年で廃止されている。都市で本格的に導入したのは1932年に導入した京都市。京都は市電も日本初であり、進取の気性があるなかもしれない。東京、川崎、横浜、名古屋、大阪、神戸の各都市に導入されたが、最後まで残った横浜市のトロリーバスが廃止されたのが、1972年であるから40年の僅かな期間しか活用されなかった。トロリーバスの記憶は京都市のトロリーバスを見た微かな記憶があるのと、池袋に買い物に来た際に妙な路面電車のようなバスが走っていて、行き先が浅草雷門でどこにあるのかを考えてわからなかった程度の記憶しかない。
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今も日本でトロリーバスが頑張っているのがいずれも黒部アルペンルートの立山黒部観光立山トンネルトロリーバス(室堂~大観峰)と関西電力トロリーバス(扇沢~黒部ダム)の2路線で国立公園内にあり、環境を考えてのためと、長いトンネル内で排気の問題があること、そして後者は電力会社が経営しているためである。ただ、残念ながらまだ黒部アルペンルートは行った事がないのでまだ小生は乗ったことがない。
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海外では、結構まだまだ頑張っている(東欧やオセアニア、アメリカなど。)のに、土地の狭い日本では殆ど普及しなかったトロリーバスだが、環境対応とハイブリッド(架線のある場所では電気、ない場所では低公害エネルギー(またはバッテリーで動く)の開発で復権することはあるだろうか?