コロナ禍で人形町の店も閉めた店が多くある。別に飲食店に限った話でもなく、なぜか2件もドラッグストアが撤退、一店になった。事務所からほど近い飲食店がパラパラとある場所に『花乃蕎麦』という女性主人がお一人で店を切り盛りしていたところ。昨年12月に彼女が腰痛のためにお店を閉じた後、居抜きで違う方が新たにスタートされた『風鈴草』というお店である。
前の女主人は自ら蕎麦を打っていたため、店内に蕎麦打ち場があったが、今もそのまま残されていた。
メニューを見たが、蕎麦のみでは流石に足りないだろうと『蕎麦定食』(1100円)を選択した。この日の日替わり惣菜は『生姜焼き』、炊き込みご飯は『いしもちと伊達菜』とのことであった。
私が最初の客のようでやや寂しかったが、5分くらいすると中年男性1人、仕事仲間4人組などぽつぽつと席が埋まる。
少し経ってお膳が登場。包丁切りと入口にあったが、細めの角が立った美味そうな手打ち蕎麦。
ツユも江戸前よりはやや甘め、振りネギも細かく切られている。一口、盛りそばは喉越しもよく、味も蕎麦の香りが立ち、素晴らしい。ついついまずは蕎麦を完食してしまう。
次に炊き込みご飯、伊達菜は大根の若い時のような主張の弱い菜っぱに感じる。このため、いしもちの香りが全体に強くなりがちなのだが、菜があることでしっとりするのか、バランスがいい。
生姜焼も上品な味付け、添えた野菜も盛り付けがいいが、やはりあまり炊き込みご飯との相性がいいとは思えない。自分で頼んでおいてあまり言えないが、『生姜焼+白ご飯+漬物』『炊き込みご飯+漬物』のいずれかでいいと思うのだが、あまり盛り込みすぎたように思った。
接客もよく、一つずつの味がいいのにみんな揃うとバランスに欠くということもあるような。ただ、確かに腹一杯にはなったが。ご馳走さまでした。
風鈴草
中央区日本橋堀留町1ー6ー5
0336643115