『秩父散歩』その2。秩父神社にお参りしたあと、西武秩父駅に向かって番場通りを歩く。この道沿いには懐かしい建物が並んでいて、ゆっくり散歩する。
最初に見たのが、旧片山医院である。今は一般住宅らしく立ち入りはできないが、明治43年に作られた建物とは思えない。
角にあるのが旧大月旅館別館。今はカクテルバーとして使われているが、ピンクをあしらいながらも上品な外観、アールデコ調に仕上がっている。この建物が大正15年築とは思えない。
次の角を右に曲がると『食堂バリー』、今も現役のレトロ食堂として営業中。
昭和2年築の木造2階建ではあるが、外から見ると3階建てのように見える工夫が為されている。
番場通りに戻り、斜め前にあるのが、小池煙草店。営業はしていないみたいだが、少し前には日本の至る所にこんなタバコ屋さんがあった。角のRが素晴らしいが、昭和初期の建物であり、当時専売公社がモデル店舗として写真入りで紹介されたことがある。
その前が安田屋という精肉店。盛業中だが、この建物も昭和5年に作られた。先程のバリー同様に看板作りとなっていて屋根裏に当たる部分に窓をつけて3階建に見えるようにしている。
さらにその先にも看板作りの建物が並んで残されていて大正後期〜昭和初期の建築物が僅かな距離の間に残されていて、秩父地区がいかに栄えていたのかを垣間見えることができる。
もう少し歩くと秩父札所13番慈眼寺の大きな本堂が見えて来る。『め』の寺として有名、明治11年の秩父大火で全焼したが、再建された。本堂隣のソメイヨシノが丁度満開であった。
曲がるとすぐに秩父鉄道お花畑駅、ここからの坂道が秩父祭りのクライマックスである団子坂、確かに急に勾配がきつくなる。
大通りに出て右に曲がると西武秩父駅はもう目の前である。