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『改めて日本語を考える』その34。今回はプロ野球のペナントレースと同じように最終盤によく使われる表現を調べてみた。
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まずは『お払い箱』、ドラフト会議も終わり、各球団が選手の入れ替えを図るこの時期によく『数年前は主力だったが、けががたたりお払い箱になる』などとスポーツ紙には出てくるが、どんな箱のことをいうのであろうか。これは伊勢神宮のお祓(はらい)いの札を入れておく箱が由来となっていて毎年新しいお札が来て、古いお札を新しいのと取り替えたことから『お払い箱』となった。実は『お祓い箱』なのだが、音が同じことから『おはらい』が掛け言葉のようになっている。
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続いて『お払い箱になった選手が寝耳に水と地団駄を踏んで悔しがった』などという時の『地団駄』である。
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『地団駄』の由来は刀鍛冶などが製鉄をする際に火力を上げるため空気を送り込む蹈鞴(たたら)を踏むがこの動きと駄々をこねて足をジタバタさせる動きが似ていることから『地蹈鞴』を踏むと言った。これが転じて『地団駄』となったようである。蛇足ながら『駄々をこねる』『蹈鞴を踏む』など製鉄の際の言い回しが使われているものは多い。
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『とどのつまり』も最後のことを表すが、これは出世魚であるボラ(鰡)の呼び名から来ている。ボラは小さい時から『オボコ』『イナッコ』『スバシリ』『イナ』『ボラ』『トド』となる。イナで18〜30cm、ボラは50cmほど、それを上回るとトドとなる。そしてこれ以上は名前は変わらない、そのため、これ以上ない表現として『トドのつまり』というのである。もちろん、水族館にいる哺乳類のトド(海馬)のことではない。
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同じような言葉に『挙句の果て』『揚げ句の果て』という使い方があるが、これは連歌や俳諧の五・七・五に続く七・七を『揚げ句』と読んだ。ここから『揚げ句』は物事の終わりを意味することになり、そこから転じて終わりを意味するようになったのである。
色々なところに由来を持つ言葉をじっくり調べみると意外な事実がわかって面白い。