三田に来たのならばせっかくなので慶應仲通りで昼飯を食べることにする。
とはいえ昔と同じ杏花園やペナントなど古くからの店はかなり減り、リンガーハットやいきなりステーキのようなチェーン店が増えているし、あれだけあった(玉の入らない)パチンコ屋も無くなり、風景は一変している。
その中で焼き鳥丼で有名な鳥駒に入ろうとしたらまだ開店前、お隣を見ると『亀善』というお店。『支那酒飯』とあるが、メニューは和洋中全て揃った店のようである。
入口のメニューに手書きで『江戸前釣り鱚 キスフライ 限定990円』というのが妙に印象に残り、名物と言われているオムライスは無視してこちらをお願いしてしまう。
それにしてもメニューは多彩、壁の至る所に貼ってある。しかも店内は喫茶店のようだし、厨房の人はコックの衣装だし。テーブルの真ん中には大きな灰皿もある。すぐに店の奥さんと思われる人が冷たい麦茶とおしぼりをくれ、『寒くなりましたねえ』などと話しかけてくれる。
店内には私しかお客はいないのでびくびくしていたが、すぐに常連さんが来店。席に着く前に『ラーメン、半チャーハン』と注文。さらに若い人が来店、こちらは『オムライス』を頼む。
すぐに沢庵と小鉢(切り干し大根の煮物)が登場。次いでラーメンスープ、これに胡椒を振って飲むが、これがまた熱い。
次はご飯がやってくる。できたものから来るのかよく分からないが面白いシステムである。少し経って揚げたてのキスフライ登場。大きな皿に4枚の鱚、ポテサラ、刻みキャベツ、櫛形に切ったレモンが付いてきた。まずは中濃ソースで頂くが、これは美味い。ガブリとかぶりつくが、上品な白身。ただ、ソースでは強すぎる。
それを見ていた件のおばちゃんがやってきて、『ソースもいいけど、醤油もいいわよ。』と言ってくる。確かにテーブル上には調味料は豊富、但しマヨネーズはないが。
次は醤油を垂らす。ガブリといくが、これが美味い。あまりフライに醤油は掛けないが、キスフライは醤油、もしあればワサビが良さそうである。もちろん、頼むとややこしくなりそうなので自重する。
醤油だから白ご飯が進んでいけない。さらにマヨネーズたっぷりのポテサラもいい味付け、小鉢やラーメンスープも食べながら完食。素材もいいが、あまり揚げすぎない調理法もいい。
実は名店なのかもしれないが、大学時代には入った記憶はない。お隣の鳥駒には入ったことはあるが。老舗中華の美味いキスフライ、堪能しました。ご馳走さま。
亀喜
港区芝5ー26ー3
0334517673
港区芝5ー26ー3
0334517673