今年の山旅は人生の先輩だけでなく300名山の先輩でありまた色々と指導してくれた師匠でもある高橋氏夫妻と待ち合わせてスタートしました。
高橋氏は80歳になり私の死んだ兄と同い年で私とは七歳違いになります。
高橋氏は若い時から山登りが趣味で新婚旅行にもマイカーでドライブして来て一緒に西穂高岳に登ったような人です。
仕事でもリーダーで山の会でもリーダーとして常に人を引っ張り世話をしてきた人ですから私達も知り合って20年色々と教えて貰って来ました。
背が185センチもあって男前でもあります。
高橋夫妻とは今までに何度も一緒に登っていますが2013年の7月に北海道の十勝岳から美瑛岳と縦走した時ですから今から八年前。
当時高橋氏は今の私達の年齢に近い72歳で私達は65歳でした。
その年までは明らかに高橋氏が私の脚を上回っていたんですが、この十勝岳から美瑛岳を回った時にほぼ同じ位になっていて驚いたものでした。
それから8年、今回御嶽山で一緒に登り始めると、、、私はいつも誰と登る時も足が遅いから先頭を歩くんですが、高橋氏が「80歳の脚で歩いてくれ」と言ったんです。
それで意識してゆっくり歩いてたんですが、それでも速すぎたのと私はゆっくり歩くけれど休まないので「先頭を変わってくれ」と。
そして私が後ろになって歩き始めて気付いた事はあまりにも多く人生観まで変える程のものがありました。
先ず第一は私は今までゆっくり歩くのに付いて来るのは楽だから足が遅い私が先頭を行けば皆も楽に登れると思ってたのに、、、
遅い人に付いて行くのは調子が出なくて意外にも苦しいのです。
美由紀が追い越そう追い越そうとするのが分かりました。
そして、、、良く辛抱して付いて登ってくれてると頭が下がる思いでした。
高橋氏も私もリーダーでいたい性格も含め似た所も多く高橋氏は山の会の仲間を乗せる為にキャンピングカー以外に大勢が乗れる車を持っていたりします。
しかし80歳の平均的な人はいつアクセルとブレーキを踏み違えるかわからない年齢です。
高橋氏は私より頭もしっかりしてますが運転中何が起きるかわからない歳です。
仕事でも趣味でもリーダーを務めてきた人に否定するような事を言ってくれる人は少ないでしょう。
高橋氏は私を鏡に映してくれました。
私は同年代の間なら頑張って元気そうにしてますが60歳代の人達から見れば危なっかしい老人でしょう。
美由紀の友達と山に行ってましたが、それらしい事を言ってる人がいても他人事と思ってました。
これからは先頭は止めて付いて行けなくなったら美由紀だけには辛抱して貰って二人で行くか、一人で行くようにしようと思います。
これは釣りも同様で今は海に慣れてますから迷惑は掛けてないと思いますがこれも時間の問題だと思わざるを得ません。
老いるのを止める事は出来ませんから受け入れるしかありません。
それなのに明日は笠ヶ岳の頂上を目指すのは今の脚力と体力では絶対に無理なので杓子平までに変更しましたが往復のコースタイムは10時間。
たった今、自宅に到着したと連絡があった高橋氏から無理はせずに楽しく登れと言われたばかりですが頑張って見ようと思います。
70過ぎると頭が固くなってるので心配して言ってくれる人の言う事もなかなか聞けません。
リーダー的な人生を送った人程頭が固くて人に嫌われる老後になる可能性が高いそうですから注意しなければいけません。
私は貴殿より10歳年下で、高橋氏と貴殿の関係と同じように貴殿の生き方・遊び方を参考にしてます。
今は職場の高い場所にいますが、来年定年ですので自分なりに私も見習い見つめなそうと思います。
ただ、アンチエイジングの気概と今回の話の内容とのバランスが難しいなと思います。