第34回「隠し港の龍雲丸」はこちら。
前回の視聴率は11.2%。ちょっと驚いた。大健闘じゃないですか。
これは皮肉でもなんでもなく、裏の黄色いTシャツ軍団が平均で歴代2位、最高で40%を超える数字を残した上でなのだから立派なものだ。逆に言えば、24時間テレビの数字は、いつもの日テレバラエティの視聴者がそのままふくらんだ結果なのがわかる。ブルゾンちえみの起用を、“みんながバカにしながらみんな見ている”という状況はとてもわかりやすい。
さて「蘇えりし者たち」。森下脚本らしい回でけっこうでした。タイトルはもちろんあの「黄泉がえり」からいただいたんでしょう。というか、あの映画が先にあってできたような回だった。徳川は約定を破って気賀の民を虐殺する。龍雲丸は瀕死の重傷を負うが、直虎、じゃなくていまはただの次郎として看病。口移しで薬を的なお約束シーンありつつ(大河キスは去年の信繁&きり以来)、彼は帰ってくる。
「妙な、経が聞こえて」
柴咲コウがあの映画(市原隼人も自殺した中学生役で出ています)でRUIとして絶唱したことが伏線になっている。いい歌でした「月のしずく」。
今川氏真が、お得意の蹴鞠で勝敗を決した方がいいのではないかとワールドカップが国威発揚の道具になっていることへ言及すれば、井伊谷のみんなは但馬のものまねをそれぞれがかまして高橋一生ロスへのサービスを見せ、虎松と亥之助は「(但馬と)同じ手筋」だと例によって囲碁で……うん、いい回でした。
必死で家康は悪くないことを主張したいようだけれども、わたしは先週「関ヶ原」を見てしまったので、家康とは世評通り腹黒い男であり、だからこそ素晴らしいのだと思っているのでだいじょうぶ。
これから奥さんと子どもをどうするかも承知していて、おそらく仕方ない処置だったと始末するつもりでしょうがだいじょうぶだって。なにより、三河武士のなかで、家康はさほど重きを置かれていなかったことも承知しているのでだいじょうぶ。
今回の視聴率は12%台復帰と読みました。にしても今回は昊天さん役の小松和重がすばらしかったですねえ!
第36回「井伊家最後の日」につづく。