第37回「武田が来たりて火を放つ」はこちら。
前回の視聴率は13.3%と予想を大幅に上回った。政次の最期の回よりも上(笑)。まあ、高橋一生人気があの回で確定したことにもよるだろうし、めずらしくイッテQが平凡な視聴率に終わっていることも影響したかも。
さて今回のタイトルはついにあのGWTWと略されるエバーグリーン名画をいただいてしまった。焦土と化した井伊とアトランタの炎上を重ね合わせたのでしょう。それ以上にスカーレット・オハラが故郷に残り、レット・バトラーが去って行くこととも。
でもぶっちゃけた話、わたしは「風と共に去りぬ」を面白いと思ったことがないんです。ちょっと神経症っぽいお嬢様のわがままに、まわりが振り回されているだけだと。でもうちの奥さんは「どうしてわからないのっ!」と怒ってましたっけ。なにも、申しますまい。
誰からも無能だと嘲られた今川氏真を経由して、寿桂尼(浅丘ルリ子)の怨念が武田信玄(松平健)を呪い殺したという、今川中華主義なエピソードはこの大河を象徴している。井伊家はやはり、強大な今川の下にいた時代が長かったわけだし。まさか9月末まで今川関係で押してくるとは思いませんでしたが。
夏ドラマが終わる時期。直虎もキャストの更新が行われ、柳楽優弥が去り(最終回のラストシーンは龍雲丸が船に乗っていそう)、井伊直政として菅田将暉登場。「ディストラクション・ベイビーズ」ふたりのすれ違い。
城主としての直虎は、いちど百姓娘となり、実際に小柄である(高瀬とのからみで実感)こともあいまって、柴咲コウは弱っちい女性の側面をあからさまにしてしまった。これまでの“強気と弱気の混在”だけでは芝居になりますまい。どう、脚本がひねってくるかな。今回の
「袖にされました」
みたいなセリフが多いとうれしい。
今回の視聴率は12%台と読みました。近ごろはずれまくりだけど、その点は明日考えるわ。
第39回「虎松の野望」につづく。