第35回「蘇りし者たち」はこちら。
前回の視聴率は11.3%。予想ほどではなかったけれど、わりに踏ん張ったのではないかと思う。なにしろ裏に、テレ東のあの「池の水をぜんぶ抜く」があったからだ。これは冗談でも何でもなくて、あの企画を考えついた人はテレビってものを知ってるなあと思う。ここ山形ではネットしていないので(笑)、まどわされることはなかったけれど、されてたら迷ったろう。
さて今回から栗原小巻さん登場。前にもふれたようにわたしはこの人にオフステージで会ったことがあって、その女優オーラに目がクラクラ。この人が姑だと、菜々緒も(そして家康も)つらい。にしても、大河に久しぶりの浅丘ルリ子と栗原小巻をそろえ、まるでむかしの日活大作「戦争と人間」みたい。
さて「井伊家最後の日」。一種の解散宣言。南渓和尚(小林薫)の助言を受けて、直虎は井伊家再興をあきらめる。自分の作品であった直虎を、だからこそ愛おしんだ南渓の無念……と思っていたのに虎松に彼は何を吹きこんだものやら。
武田、徳川、北条の均衡が崩れる直前。政治的駆け引きがどす黒い前半はとてもけっこうだったけれども、あまりにストレートな龍雲丸のプロポーズと大河キスPART2はちょっとなあ。まあ、このシーンのためにずっと頭巾をかぶっていた演出ということですか。
のちの直政を迎える松下家の当主が古舘寛治なのはうれしい。この人が出てくると、なんか画面が不穏な雰囲気に満たされるのよね。気になる映画にはいつも出ているイメージ。ファンです。
キャストには「回想」マークが多数。そうかもう9月。そろそろこの大河も店じまいに向かっているんだな。
視聴率は、11%維持かと。まさかテレ東も、毎週池をさらうわけじゃないだろし。
第37回「武田が来たりて火を放つ」につづく。