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そうかお若い読者はジョンソン大統領って知らないよね。第36代の大統領で、その任期は1963年の11月から始まる。なぜかというと、ダラスでケネディが暗殺されたために、副大統領だった彼が自動的に大統領に就任したから。
この映画は、邦題が示すように人種差別の撤廃のためにケネディがめざした公民権法の成立に彼がどのように取り組んだかが中心。彼はケネディが「始めた」ことを「続けた」のである。これが就任演説の骨子だった。
ジョンソンを演じたのはウディ・ハレルソン。いったいどうしてこのようなキャスティングが実現したのだろう。ウディを政治家役に?
だって彼はタランティーノが脚本を書き、オリバー・ストーンが監督したという、今から考えるとよくわからない「ナチュラル・ボーン・キラーズ」でジュリエット・ルイスと殺人によってアイデンティティを保った若者を演じ、「ラリー・フリント」でPLAYBOYよりもはるかに過激な男性誌「HUSTLER」の経営者を本人よりももっと過激に演じたり、近ごろだって「ゾンビランド」「スリー・ビルボード」「猿の惑星:聖戦記」でファナティックな人物を気持ちよさそうに演じていたのだ。なにしろ父親が殺し屋だったって経歴は最強。
彼の骨格は確かにジョンソンに似ていたこともあったかもしれない。オープニングでジェニファー・ジェイソン・リー(やはりタランティーノの作品「ヘイトフル・エイト」では顔をボコボコにされているので顔がよくわからない)が出ているのクレジットされていたので、さーていつ出てくるのかと思ったら、ほぼ最初から出ていたジョンソン夫人であるあたり、メイクアップの技術は近年なんでもありだ(笑)。
そして監督はロブ・ライナー。「スタンド・バイ・ミー」「シュア・シング」の彼がJFK(ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ)の次の大統領、LBJ(リンドン・ベインズ・ジョンソン)を描くとどうなったか。以下次号。