見終わって、妻と顔を見合わせる。
「なんか、またしちめんどくさい展開になってきたねえ」
「そうね。あたしは一作目のほうが好き」
同意。あの、無邪気なモンハンに終始した「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」は、舞台がアメリカのジャズ・エイジだったことも手伝って、まさしくファンタスティックだった。あれと比べれば、ハリー・ポッターは思えば陰鬱な話だったよなあ。
主役のエディ・レッドメインはあいかわらず好調。誰からも愛され、同時にいらつかせもする茫洋とした感じがなんともいい。アジア市場を意識したか、中国のモンスターと日本のモンスター(KAPPA)が登場し、近年の市場規模の差が影響したか、中国のモンスターの方が大活躍。河童の出番はもっとほしかったなあ。
妻はジョニー・デップにも不満があるようだった。
「あんなにいい男なのに、近ごろはこんな役ばっかり」
この作品の原題は「グリンデルバルドの罪の数々」なので、ジョニデは独裁者にして煽動者であるグリンデルバルドを憎々しげに演じている。
妻はわたしと結婚しているだけに男を見る目は確かなのだが(笑)、ジョニー・デップの作品選択にはわたしも首をかしげる。久しぶりに美男っぷりを見せつける作品が必要ではないだろうか。思えば「パブリック・エネミーズ」はそれしかない映画だけれど、ジョニデの美貌だけで立派に成立していたではないか。
ネタバレになりそうなのでラストは明かせないが、すると次作ではジョニデとジュード・ロウ(アルバス・ダンブルドア)の美男合戦が見られるのかしら。妻はジュード・ロウも大好きなの。なにしろわたしと結婚するくらい(以下同文)。
「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」につづく。