「希望荘」につづくお婿さん探偵シリーズ(そう名付けているのはわたしだけでしょうが。だいたいもうお婿さんじゃないし)最新作。
腰巻きには“困った女性”をめぐる杉村の困惑がそれぞれ描かれる中篇集ということになっているけれども、本当に困った女性は最後のだけで、それにしたって「名もなき毒」の彼女にくらべればかわいいものだ。
杉村が優秀な探偵であることはビシビシ伝わってくる。このシリーズがマイケル・Z・リューインのアルバート・サムスンものをモデルにしたのだと解説してあってなるほどと思う。だから宮部みゆきは表紙に同じ杉田比呂美さんをリクエストしているほど。
わたしもあのシリーズが大好きで、特に「A型の女」のラストには恐れ入った。喫茶店で読んでいて震えが来た。確か全部読んでいるはずだけど、また買い直して読み直そうかな。早川書房よ、復刊するチャンスじゃないですか。もちろんスピンオフのリーロイ・パウダーものもね!