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チームには監督が必要だ。しかもできれば客を呼べる人物がいい。ということで呼ばれたのが元メジャーリーグのスター選手ドゥーガン。演ずるはトム・ハンクス。
ところがこの男はアル中で采配をふるうつもりもない。おまけにセクハラまがいのことばかり……ドゥーガンが属したメジャーリーグの世界が、いかにマッチョなものだったかをハンクスは絶妙に示す。それはこの時代がいかに男性中心で、女性が虐げられていたかをも示している。
酔っ払い監督がいかに怠惰であろうと、選手たちは悩みながらも勝ち進む。ドティの才能は突出していて、ドゥーガンも次第に彼女たちの才能や努力のために酒を断つことになる。おわかりだろうか、これって少年(と少女)野球のチームを率いて人生の目的を見つけていく「がんばれ!ベアーズ」のウォルター・マッソーと相似形をなしているのを。
同様に、商売のことだけ考えていた菓子会社の男が、戦争が終わったからもう女子リーグはいらないだろうと突き放す社長にたてつくエピソードも泣かせる。この男、ローエンスタインを演じているのがデビッド・ストラザーン。いい味。
チームにはマドンナ(!)やロージー・オドネルもいて、みごとなプレイを見せてくれる。思えば豪華な映画なのだった。
この作品が周到なのは、1987年に女子選手たちが野球の殿堂入りするために再会するシーンで縁取られていることだ。あの登場人物はその後どのような人生を過ごしたか、ルックスだけでうかがえるようになっている。
ダイヤモンドのクイーンと呼ばれたドティが、なぜチームメイトたちに会うのを渋ったか……彼女はしかしみんなにあたたかく迎えられる。そしてドゥーガンは、そしてローエンスタインは……。
あーやっぱり涙なしには見られない映画でした。ぜひぜひ。