まず、成り立ちがよくわからない。日活の監督だった鈴木清順は、「わけのわからない映画をつくる」という社長(堀といいます)によって解雇され、以降10年ほど映画を撮れずにいた。
だけれどもカルトな人だからファンは(特に映画評論家たちに)多く、彼のカムバックは常に待たれていた。しかしそれが、梶原一騎の原作(と金)によって実現するとは!そして予想どおり、わけのわからない映画になっていて苦笑。
ふたつのアパレル会社のCM競争のために徹底的に鍛えられる新人ゴルファー。そして彼女は優勝……ってここまでは梶原一騎お得意のスポ根の世界。ヒロインの芸名が白木葉子(盛大に脱いでくれますがまったく演技ができていません)なので「あしたのジョー」そのまんま。
丹下段平的コーチが佐野周二(関口宏のお父さんですよ)ってのも意表を突く。
しかしここからストーカーめいた主婦が登場して話がねじれていく。演じているのは日本でいちばん美しい女優だった江波杏子。彼女のためにヒロインは売春まですることになり……
思えばこの作品に原田芳雄を起用したことで名作「ツィゴイネルワイゼン」は生まれたのであり、その意味で存在意義はある。にしてもやっぱりわけわかんないです(笑)