事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「悲愁物語」(1977 松竹=三協映画)

2018-12-24 | 邦画

まず、成り立ちがよくわからない。日活の監督だった鈴木清順は、「わけのわからない映画をつくる」という社長(堀といいます)によって解雇され、以降10年ほど映画を撮れずにいた。

だけれどもカルトな人だからファンは(特に映画評論家たちに)多く、彼のカムバックは常に待たれていた。しかしそれが、梶原一騎の原作(と金)によって実現するとは!そして予想どおり、わけのわからない映画になっていて苦笑。

ふたつのアパレル会社のCM競争のために徹底的に鍛えられる新人ゴルファー。そして彼女は優勝……ってここまでは梶原一騎お得意のスポ根の世界。ヒロインの芸名が白木葉子(盛大に脱いでくれますがまったく演技ができていません)なので「あしたのジョー」そのまんま。

丹下段平的コーチが佐野周二(関口宏のお父さんですよ)ってのも意表を突く。

しかしここからストーカーめいた主婦が登場して話がねじれていく。演じているのは日本でいちばん美しい女優だった江波杏子。彼女のためにヒロインは売春まですることになり……

思えばこの作品に原田芳雄を起用したことで名作「ツィゴイネルワイゼン」は生まれたのであり、その意味で存在意義はある。にしてもやっぱりわけわかんないです(笑)

 

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