2018年期末勤勉手当号「消えたオービス」はこちら。
いきなりですが、あなたタイヤにチェーン巻いたことありますか。わたしは若いころに一度やったんだけれども、あれはめんどくさいものでした。途中でゆるんでボディにテンテン当たったりして、いらつくことこの上ない(まあ、わたしの取り付け方がへただったわけだけど)。
この冬から、気象庁が「大雪特別警報」を出したり、国土交通省などが「大雪に対する緊急発表」が発表するレベルの降雪時には、全国13区間でチェーンの装着が義務づけられるのはご存じのとおり。
そのうちのひとつが112号線。いわゆる月山道路。さんざんこれまで「47と13、あるいは112」で庄内と内陸の連絡を特集してきましたが、まさかの新ネタ。
チェーンを巻かないで立ち往生を発生させた場合、その運転者には6月以下の懲役あるいは30万円以下の罰金が課されるとか。ものすごく重い。たとえばスピード違反の場合は、一般道で60キロ以上オーバーしても罰金は10万円ですから、いかに重いかがわかります。
112号線においてチェーンの装着が義務づけられるのは西川町月山沢(ああ、あそこか)から鶴岡市上名川(どこだよそれ)までの27キロ。国土交通省としては、これまで予防的に通行止めにしていた状況でも、チェーンを巻いていれば通れるようにするのでむしろ規制緩和だと主張しています。
でも世間のリアクションはあまりかんばしくない。
・いくらなんでも拙速に過ぎる
・チェーンの装着のためにむしろ渋滞が発生するのではないか
・スタッドレスタイヤの性能向上を無視している
・つけ方がわからない
……などなど。ここで思い出されるのは「スパイクタイヤ禁止」のときの騒動。70年代から本格的に普及したスパイクタイヤは、しかしタイヤに埋め込まれた金属で舗装路を削り取り、粉塵を発生させる。そのため、仙台市などから脱スパイクタイヤの運動が起こり始めます。
酒田でもそうでした。駅前の八雲神社のあたりが特にひどくて、路側に寄せられた雪が真っ黒。粉塵が舞い放題だったのをおぼえています。結果的に90年代初めに法律でスパイクタイヤの使用は事実上禁止されたのですが、この動きに最後まで渋ったのが警察でした。
それはそうですよね、なにしろスパイクタイヤのブレーキ効果は、それまでのスノータイヤとは段違いだったし、スタッドレス(スパイクタイヤの鋲=スタッドがないという意味)に変えたら事故が増加すると考えても不思議はありませんから。でも今は逆にスパイクを履いていると警察に怒られます。
つまりその省庁の意向がこのテの施策に露骨に影響するんでしょう。道路がどんどん削られていくために旧建設省や自治体は悲鳴を上げていましたし、旧環境庁はがぜんやる気を出して見せました。
今回のチェーン問題は、ドライバーの安全云々の話ではなく、要するに物流を止めたくないというお役人の強い意向があったのでしょう。だからむちゃくちゃに重い罰則をもうけて世間に浸透させようとしているのだと思います。でもそれより先に、112号線ってやっぱり怖いんだなあというイメージの方が浸透してしまったのは計算違いだったと思いますが。
PART2「手取り&差額」につづく。
本日の画像は「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」
主演:エディ・レッドメイン、ジョニー・デップ
まためんどくさい展開に。無邪気にモンハンをやっていた一作目のほうがわたし(と妻)の好み。近ごろ汚れ役ばかりやっているジョニデに妻は不満たらたら。まあ、わたしと結婚しているだけに男を見る目はあるからな(笑)