三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

小柄な馬でも

2007年03月09日 | 競馬
  弥生賞と中京記念の馬券は、気持ちのいいくらい大きく外してしまいました。中京記念のローゼンクロイツは、前走の負け過ぎだけを理由に切ってしまいましたが、厩舎のコメントを見ると「道悪が空っペタだから前走の結果は仕方がない。デキはいいので良馬場なら好勝負」とあり、簡単に切ってしまったのは早計であったと反省しています。逆にトウショウパワーズは前走準オープンを勝ったばかりで少し人気になり過ぎたのかなという気がしています。それにしてもレコード勝ちは見事でしたし、1分56秒台という勝ち時計にも仰天しました。三冠レースで活躍した馬で、改めてディープインパクト世代の強さを再認識したところです。
  弥生賞も同じように、新馬の一戦しか走っていないからという一点だけでココナッツパンチを切ってしまって、馬券を外してしまいました。ドリームジャーニーは直線で一瞬詰まった場面があり、休み明けのせいでスムーズに突き抜けられなかった印象を持ちました。次は大丈夫だと思います。今年の皐月賞は多分フサイチホウオーが一番人気で、アドマイヤオーラがそれに続くことになるでしょうが、私はドリームジャーニーに賭けてみたい気がします。勝てば史上最軽量の皐月賞馬ということになるのかもしれませんが、馬体重を計量しない欧米では、やや小柄な馬が勝ったということにすぎません。

 ドリームジャーニーの馬体重が軽いことを心配する向きもあるでしょうが、私はそれほど心配することはないと思います。競争馬の体つきは人間で言うとプロレスラーのように発達しているので、プロレスラーに置き換えて比較すると、416kgのドリームジャーニーと444㎏のディープインパクトとは、104kgの選手と111kgの選手の差くらいです。その差は7㎏で、プライドのリングでは問題にされない程度の差です。たしかにオリンピックの陸上競技では大きな人の方が有利に見えます。しかしそれは主に身長の違いで、サラブレッドの場合は人間と違ってどの馬も、身長というか体高にはそれほどの差がなく、馬体重の差は体の厚みの差です。オリンピックの100メートル競争のスタートラインにほぼ身長が同じくらいで、体重が少しずつ違う選手が並んでいると考えれば、あまり馬体重の大きさにこだわらなくてもいいことがわかります。

 昔の話ですが、メジロボサツという牝馬がいまして、北野ミヤさんが「ボサツさん」と呼びかける場面がテレビで放映されたのを憶えています。この馬は体重が400kgもなかったのですが、24頭立ての桜花賞で堂々の1番人気になり、クビ、ハナの3着と健闘しました。続くオークスでも2着に入っています。メジロドーベルの3代母に当たる馬です。この頃は400kgを下回る馬体重でも力さえあれば多頭数のレースを制することができると考えられていたんですね。
 時代は下って、大本命アズマハンターが3着に破れたダービーで直線叩き合ったのがバンブーアトラスワカテンザン。大柄なバンブーアトラスに対して小柄なワカテンザンが並んで走っていると、印象としてはいかにもワカテンザン不利の印象でした。

 その少しあとくらいからでしょうか。大川慶次郎さんが、大きい馬と小さい馬を比べたら、それは大きい馬が有利だ、ということを仰るようになって、実は私もなるほどそうだろうなあ、と思うようになりました。モンテプリンスモンテファストの兄弟やホリスキーなんかがみんな500㎏くらいかそれ以上の大きな馬だったので、やっぱり小柄な馬は馬ゴミで揉まれたりすると不利なんだろうな、と考えたわけです。しかしその後、ステイゴールドライスシャワーなど、小柄な馬がGIでも活躍するようになって、馬体重にはそれほどこだわらなくなりました。430㎏のライスシャワーが500㎏のメジロマックイーンミホノブルボンを差し切ったのは、今でも記憶に新しい快挙です。

 というわけで、父親のステイゴールドも好きな馬だったし馬券でも随分お世話になったので、今後はドリームジャーニーを応援したいと思っています。