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バンカメ、メリル買収を発表 総額500億ドル

2008-09-16 16:32:59 | Weblog
バンカメ、メリル買収を発表 総額500億ドル 2008年9月16日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT2N1503X15092008.html
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0915/TKY200809150144.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080915k0000e020010000c.html
 米大手銀行バンク・オブ・アメリカは15日、米大手証券メリルリンチの買収で合意したと発表した。買収総額は500億ドル(約5兆3000億円)に上る。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付きをきっかけにした米国発の金融不安は、世界最大級の金融再編に結びついた。
 バンカメのケネス・ルイス最高経営責任者(CEO)は預金やクレジットカードなど個人向けの営業に強いバンカメと、有価証券の引き受けや富裕層向けのアドバイスに厚みを持つメリルの組み合わせによって「相乗効果で企業価値が高まる」と強調した。
 合意によるとメリル一株に対してバンカメの0.8595株を割り当てる。09年3月までに合併を完了する計画だ。メリルの経営陣のうち3人と、富裕層向けサービスを手掛ける1万6000人以上がバンカメに移る。



 第一報が流れ込んできた時は、メリルリンチが政府に泣きついて、バンカメが仕方なく資産査定に入った段階だと思っていただけに、これだけ早く(なんでも救済話はわずか48時間で決まったそうです)バンカメによるメリルリンチの買収が買収金額まで含めて決まるとは予想外でしたね…(唖然
 まあ、米政府としても、リーマンの破産法申請が現実のものとなり、これ以上の金融混乱を避けたいことから、結論を急がせたのではないかという憶測も立たないわけではないのですが、それにしても、サブプライム被害が軽微で済んだゴールドマンサックス(GS)あたりが、買い叩く可能性ならまだ想定していましたが、まさか自身もサブプライム損失で苦しんでいるバンカメが、公的資金の投入もないのに、リーマンからいきなりメリルリンチに買収対象を変更し、即効で買収するなんて想像さえしていませんでした…(吃驚

 それにしても、一つ気になったのは、買収価格の算定。当初は『1株29ドルで総額440億ドルになる』と伝わっていたのですが、実際の買収額は500億ドル。つまり、メリルリンチを1株あたり33ドルで評価していることになりますが、果たして救済合併される今のメリルリンチにそれだけの価値があるのでしょうか…。
 確かにメリルを買収することで、バンカメはシティグループを追い抜いて米国一の金融機関に躍り出ることができ、富裕層を取り込むメリットもありますが、日本で一番大きな証券会社で、リーマン救済の噂がたった野村ホールディングスでさえ12日の株価は1株1445円。(16日は142円安の1303円)
 勿論発行済株式総数の違いもあるため、一概に株価が高いから評価も上とは限りませんが、それでも、株価が急落しはじめた1週間前時点の26ドル台と比べても、2割5分以上高い水準ですし、私はむしろ売却価格を値切ってくるとさえ予想していただけに、この買収価格にはどうしても疑問を持ってしまいます。
 バンカメ本体だってサブプライム損失は決して少なくないことに加えて、米政府は民間金融機関の救済に消極的。そのような状況で何が出てくるかわからないメリルリンチを吸収合併などして、本当に大丈夫なんでしょうかねぇ…(戸惑い

日経平均大幅反落、終値605円安の1万1609円 3年ぶりの安値 AIGは民間主導の救済構想?

2008-09-16 16:17:28 | Weblog
日経平均大幅反落、終値605円安の1万1609円 3年ぶりの安値 2008年9月16日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916NTE2INK0616092008.html
 16日の東京株式市場で日経平均株価は大幅反落。終値は前週末比605円4銭(4.95%)安の1万1609円72銭と、今年5番目の下げ幅。3月17日以来、5カ月ぶりに年初来安値を更新し、2005年7月8日(1万1565円)以来、約3年2カ月ぶりの安値水準となった。米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻やアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の信用格付けの引き下げなど米国発の金融システム不安が嫌気され銀行や保険など金融株が大幅下落。金融不安によるドル安や米景気への影響を懸念して自動車や電気機器など輸出関連の国際優良株が売られた。また、米金融不安は原油などの国際商品から安全な資産への資金シフトを招き商品相場が下落、商社や資源関連の売りにつながった。東証株価指数(TOPIX)も大幅反落。下げ幅は59ポイントと、今年3番目の大きさだった。
 東証1部の売買代金は概算で2兆6050億円で株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出日を除くと6月5日の2兆6252億円以来の高水準。売買高は26億639万株。

アジア株が全面安 上海市場は一時2000の大台割れ 2008年9月16日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916AT2M1603E16092008.html
 16日アジア株式相場は急落。香港のハンセン指数は一時、前営業日の12日比6.9%下落。韓国総合指数も一時、同6.5%下落した。台湾加権指数は前日比4%強安い水準で推移している。リーマン・ブラザーズの経営破綻など金融不安の広がりを嫌気し、金融株の売りが膨らんでいる。
 中国の上海総合指数も一時、12日比4.7%下落し、2000の大台を割り込んだ。取引時間中の2000割れは2006年11月29日以来。中国人民銀行(中央銀行)は利下げを発表したが、株価下支え効果は限定的だ。

対リーマン、邦銀1700億円融資 金融庁、実態把握に着手 2008年9月16日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916AT2C1600A16092008.html
 経営破綻した米証券大手リーマン・ブラザーズは、日本の金融機関から計16億7000万ドル(約1700億円)の融資を受けたと明らかにした。リーマンが連邦破産裁判所に提出した資料に記載した。リーマンの日本法人、リーマン・ブラザーズ証券(東京・港、桂木明夫社長)は16日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。金融庁は日本の大手銀行や地方銀行、証券会社、生損保会社などを対象に、融資のほかリーマンが販売した証券化商品の保有額やリーマン株・社債への投資額、金融派生商品取引の有無、それぞれの保全状況など取引関係の実態把握に乗り出した。
 融資額が最も多いのはあおぞら銀行で4億6300万ドル(約480億円)。単独の融資の出し手として最大だった。次いでみずほコーポレート銀行が3億8200万ドル、新生銀行が2億3100万ドル。三井住友銀行、信金中央金庫、中央三井信託銀行、日本生命保険なども融資している。上位30件の大口債権のうち、日本の金融機関が9件を占めた。一部は回収できない恐れがある。

AIG、直接融資要請 FRBは民間の支援促す 2008年9月16日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916AT2M1602716092008.html
 米連邦準備理事会(FRB)は大手証券ゴールドマン・サックス、大手銀JPモルガン・チェースなどの米有力金融機関に対し、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)を支援するために700億―750億ドルの民間融資枠を創設するよう要請した。米メディアが一斉に報じた。AIGはFRBに直接融資を要請していたが、FRBは民間主導の支援を模索しているもようだ。
 サブプライムローン関連で多額の損失を計上しているAIGは増資を柱とするリストラ策を計画していたが、投資会社などが増資引き受けに難色を示している。投資適格級の格付けを維持するためには数百億ドル規模の自己資本の拡充が必要とされる。米金融市場の動揺が広がるなか、AIGは株価急落に見舞われるなど、経営不安は幅広い金融機関に及びつつある。
 AIGは日本でAIU保険、アメリカンホーム保険などを通じ損害保険事業を展開。アリコジャパン、AIGスター生命保険、AIGエジソン生命保険で生保事業を手掛けている。




 16日の日経平均は、リーマンブラザースの経営破綻や、メリルリンチの救済合併、AIGやワシントンミューチュアルに対する経営不安など、金融不安を背景に15日のNYダウが504ドルの下落をした流れを受けて、開始直後に11600円台に下落して、午前は618円安で終了。
 午後に入ると、更に下値を探る展開となり、一時11551円40銭まで下落しましたが、その後も下値圏で推移し、終値ベースでも、下落率にして4.95%、下落幅にして先週末比605円04銭安い11609円72銭で終了しました。

 また、経営不安説が流れているアメリカン・インターナショナル・グループ・インク(AIG)の株価(東京市場外国部)は、9時40分に、先週末比1423円安の577円(下落率71.15%)をつけた後は値つかず。2000年春に14000円近辺、2007年6月に9000円近くの高値をつけていたことを考えれば、サブプライム問題でずっと苦しめられていたとはいえ、実に1年ちょっとで16分の1の水準まで株価が下がっていますし、メリルリンチを救済合併したバンク・オブ・アメリカCO(同)も20.45%下落しています。
 ちなみに、他の主要な金融株の値動きを見ると、みずほフィナンシャルグループは10.68%の下落、あおぞら銀行が18.23%の下落、新生銀行が16.04%の下落、信金中央金庫が1.41%の下落、中央三井トラストHDが12.06%の下落、千葉銀行が9.01%の下落。三菱UFJ・FGは7.93%の下落、三井住友FGは10.06%の下落、住友信託銀行は8.92%の下落、りそなHDは12.87%の下落。
 野村HDは9.83%の下落、大和證券は8.01%の下落
 東京海上ホールディングスは12.97%の下落、三井住友海上GHDは9.67%の下落、あいおい損保が5.02%の下落、損保ジャパンが10.54%の下落…などとなっています。


 米政府がAIG支援のための700億―750億ドルの民間融資枠を創設することを模索している件はどうなんでしょうね…。先日発表された10社(シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、クレディ・スイス、ドイチェバンク、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、メリルリンチ、モルガン・スタンレー、UBS)で700億ドルのファンドを設立して、相互に資金繰りを融通する構想(http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20080915D2N1503815.html)に、AIGは入っていませんし、もっと露骨な言い方をすれば、『入れてもらえなかった』のが真相だと思いますが、果たしてそんな金融機関相手に何のメリットもなしに民間が支援をするかどうか…(汗
 せめて、政府が何割かを出資した上で、一緒に支えましょうという姿勢ならば、まだ協力も得られるかもしれませんが、それぞれが生き残りに必死だけに、さすがにここまで政府に一方的に都合の良い構想は成立しない可能性の方が高いでしょうし、財務内容が比較的良い証券会社上位2位のどちらかに救済してもらおうと思えば、相当買い叩かれる覚悟はした方がよさそう…。
 とはいえ、日本でAIGグループと言えば、生損保で一大勢力を築いている会社。万が一があると、雇用にも大きな影響を与えそうだけに、AIGの資金繰りが回るかどうかは、非常に気になるところです。

中国、0.27%利下げ 6年半ぶり 世界的な景気低迷背景に

2008-09-16 12:14:38 | Weblog
中国、0.27%利下げ 6年半ぶり 世界的な景気低迷背景に 2008年9月16日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT3K1500T15092008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080915-OYT1T00456.htm
 中国人民銀行(中央銀行)は15日、金融機関の貸出基準金利(1年物)を16日から0.27%引き下げると発表した。世界的な景気低迷を背景に2004年10月から金利引き上げ局面が続いていたが、世界的な景気低迷を背景に引き下げに転じた。
 利下げは02年2月以来、約6年半ぶり。金融機関の預金準備率も25日から1%引き下げる。


 別に米国の金融混乱に時期を合わせてきたわけでもないと思いますが、中国が異例の政策金利の引き下げを行ってきました。
 中国国内の成長率は依然として高成長を遂げていますし、インフレ懸念が収まっていないことを考えれば、正直予想よりも早いタイミングでしたが、上海株式指数が大幅調整したことや、オリンピックが終わり、景気が悪くなることを織り込んで先手を打ってきたのでしょうか…。
 それにしても、気になったのは金利の引下げ幅で、0.25%ならまだわからなくもないのですが、なんで0.27%の引下げなんでしょうね???

日経平均急落、午前終値は618円安 3年2カ月ぶりの安値水準

2008-09-16 12:10:33 | Weblog
日経平均急落、午前終値は618円安 3年2カ月ぶりの安値水準 2008年9月16日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916AT2C1600R16092008.html
 16日午前の東京市場で株売りが広がり、日経平均株価は600円を超える下げとなった。午前の終値は1万1596円09銭と前週末比618円67銭(5.06%)安で、一気に年初来安値を更新。取引時間中としては2005年7月8日以来3年2カ月ぶりの安値水準に沈んだ。
 米リーマン・ブラザーズの経営破綻を受けた東京市場は取引開始直後から売り注文が殺到。金融株への売りが突出した。みずほフィナンシャルグループは2万株を超える売り越しを抱え、売り気配を切り下げる展開。制限値幅いっぱいのストップ安水準で寄り付いたのは9時46分だった。大手銀行株だけでなく、東京海上ホールディングスもストップ安になるなど金融株は総崩れとなった。
 市場が身構えるのはリーマン破綻の影響の広がりだ。みずほと並んでリーマンの大口債権者リストに顔を出したあおぞら銀行も、株価は2割近い下げを記録した。千葉銀行がリーマンが発行する債券の保有を開示するなど、「損失拡大がどこまで広がるか全く見えない状況」(丸三証券)におびえている。



 まあ15日のNYダウにして504ドルも下落していますし、世界各地で3%以上の株価下落を記録したことから、日本株式市場も無事では済まないだろうな…とは思っていましたが、15日の日経平均は開始直後にいきなり600円を超える下落幅を記録し、その後若干の買戻しが入ったもののすぐに下落に転じ、午前の終値は、下落率にして5%を超える618円67銭安い11596円09銭と急落状態で終了しました。
 それにしても、NY株式市場もリーマン破綻による影響や、AIGやワシントンミューチュアルが急速に経営悪化している影響が、これから先どのような形で出てくるか全く予想ができない状態ですし、NY市場が下げきった保証がない以上は、日本でも買い戻しは入れにくいとは思いますが、それでもいきなり5%超の下落とは…(呆然
 もっとも、都市銀行はともかく地方銀行上位の千葉銀行までリーマンが発行する債券を保有していることが判明しているような状況ですし、おそらく市場では、保有している金融機関株が、最近急激に経営が悪化している金融機関の債券を保有していないか疑心暗鬼に陥って金融株などとても新たに購入できない状況でしょうし、ここまで円高が進めば輸出株だって買いにくい状態。大幅下落もある意味当然でしょうか…(溜息
 アメリカは、リーマンに公的資金をつぎ込まなくとも、なんとか金融秩序を維持できると考えたようですが、今のところは見事なまでに、その期待が裏切られ市場の報復を受けている形。果たして異例の金利の引下げは行ってくるのでしょうか…。

NYダウは504ドルの大幅安→10917ドル、NY原油は一時93.50ドル→95.71ドルで終了

2008-09-16 11:38:14 | Weblog
NY株504ドル安、下げ幅過去6番目 主要金融株ほぼ軒並み安 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916AT2N1505T16092008.html
 15日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が急落、前週末比の下落幅は504ドル安と過去6番目の大きさを記録した。米証券大手リーマン・ブラザーズの破産法申請を受けて、金融株を中心にハイテクや小売関連なども含めた幅広い銘柄が売られるほぼ全面安の展開となった。「安全資産」との位置付けから国債が買われて長期金利が大幅に低下し、投資家のリスク回避姿勢が急速に強まっていることを裏付けた。
 主要金融株がほぼ軒並み安となり、経営不安が強まっているとされる米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)と貯蓄金融機関(S&L)最大手ワシントン・ミューチュアルはそれぞれ61%安、27%安と大幅に下落して取引を終了。銀行最大手シティグループや証券最大手ゴールドマン・サックスなども大幅に下落。破産法を申請したリーマンは終値で94%安の21セントまで落ち込んだ。

8月の米鉱工業生産、1.1%低下 市場予想以上に悪化 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT3K1500Y15092008.html
 米連邦準備理事会(FRB)が15日発表した8月の鉱工業生産指数(2002年=100)は季節調整済みで110.3となり、前月に比べ1.1%低下した。前月比マイナスは3カ月ぶり。市場予想平均は0.3%の低下で、結果は予想を大幅に上回る悪い内容となった。
 電力などの公共事業が3.2%のマイナスと大幅に低下。製造業も1.0%の低下と主要業種が軒並み不振だった。前年同月比でも1.5%の低下で、生産活動の停滞色が強まっている。
 設備稼働率も全体で78.7%となり、前月より1.0ポイント低下した。

アジア株急落、インド株3.4%安 リーマン破綻で 2008年9月16日 
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT3K1500U15092008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080915-OYT1T00381.htm
 インドのムンバイ証券取引所の主要30社株価指数SENSEXは15日、前週末比3.4%安の1万3531.27になった。約2カ月ぶりの安値。米証券大手リーマン・ブラザーズが米連邦破産法の適用を申請することになったのを受けて、ほぼ全面安の展開。
 SENSEXを構成する30社中27社の株価が下落した。財閥系電力大手のリライアンス・インフラストラクチャーの下げが9.7%で最大。IT(情報技術)サービス大手のサティヤム・コンピュータ・サービスも9.5%安と下落幅が大きかった。
 台湾の加権指数は6052.45と前週末比4.1%下落した。シンガポールのST指数も2486.55と3.3%値下がりした。

ロンドン株15日 212.5ポイント安で終了 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20080916c9ASB7IIAA6150908.html
 15日のロンドン株式相場は急反落。FTSE百種総合株価指数は前週末終値に比べ212.5ポイント(3.92%)安の5204.2と、7月16日以来の安値で引けた。下落銘柄は89。
 米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻を受けて金融不安が深まり、銀行・保険株など金融関連株が全面安となった。銀行のHBOSと保険のフレンズ・プロビデントはともに17%超下落した。
 米保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が米連邦準備理事会(FRB)に対し400億ドルのつなぎ融資を申請したとの報道も懸念材料となった。
 銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、金融取引ブローカーのICAPはそれぞれ10%超下げて取引を終えた。
 原油安を背景に、BPやロイヤル・ダッチ・シェルなど石油株も全面安で引けた。
 半面、JPモルガンが投資妙味があると指摘した電力のスコティッシュ・アンド・サザーン・エナジーは上昇した。

ドイツ株15日 DAXは170ポイント安の6064 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20080916c9AS2R1500R150908.html
 15日のフランクフルト株式相場は大幅反落。ドイツ株式指数(DAX)の終値は、前週末比170.73ポイント安(2.74%下落)の6064.16だった。
 米リーマン・ブラザーズの経営破綻などを受けて、金融株を中心に大幅安となり、約2年ぶりの最安値で取引を終えた。
 コメルツ銀行が9.0%、ポストバンクが7.3%、ドイツ銀行が6.4%下げたのをはじめ、保険のアリアンツも6.1%、ミュンヘン再保険も5.5%下げた。ドイツテレコムも6.0%安。産業銘柄では商用車のMANが4.8%、鉄鋼のティッセン・クルップとダイムラーが4.3%の下げ幅となった。
 一方、上げたのは4銘柄のみ。化学のバイエルが2.7%上げたほか、新製品の開発成功を同日発表したソフトウエアのSAPも2.3%上げた。消費財のヘンケルとアディダスも買われた。

NY円、104円台に上昇 2008年9月16日 日経
 15日のニューヨーク外国為替市場で円相場は急反発。前週末比3円30銭円高・ドル安の1ドル=104円60―70銭で取引を終えた。米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻などを受け、市場参加者のリスク回避目的の円買いが優勢となった。東京市場が休場だったうえ、米欧市場でも薄商いだったため、値動きが荒かった。
 15日未明にリーマンが連邦破産法11条の適用を申請し破綻した。バンク・オブ・アメリカはメリルリンチを買収することで合意。保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)も米連邦準備理事会(FRB)につなぎ融資を申請したと報じられ、金融システム不安が高まっている。リスク回避目的から幅広い通貨に対して円は買われ、早朝に104円53銭と7月16日以来の高値を付けた。

NY原油、一時93ドル台に下落 時間外取引
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916AT2M1602416092008.html
 15日のニューヨーク原油先物相場は、夜の時間外取引で一時1バレル93.50ドルまで下落し、7カ月ぶりの安値を付けた。米大手証券の破綻や米大手銀行による証券大手の救済合併などで景気減速が世界に広がり、需要が低迷するとの懸念が強まった。投資家が安全資産に逃避する動きが広がり、金先物相場は続伸した。
 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物市場で指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、期近の10月物が前週末比5.47ドル安の95.71ドルで通常取引を終えた後、時間外取引で下げ幅を広げた。
 金先物相場は、ニューヨーク商品取引所で取引の中心である12月物が同22.5ドル高の1トロイオンス787ドルで取引を終えた。



 週明け15日のNYダウですが、リーマンブラザースの経営破綻や、メリルリンチがバンクオブアメリカに事実上救済合併されたこと、AIGの資金繰り悪化とこれだけの大型な悪材料が既に市場に知れ渡っていて、加えて8月の鉱工業生産指数が市場予想の0.3ポイント低下を大きく上回る1.1ポイントの低下になったことなどを受け、開始直後に早速300ドルを上回る下落幅を記録。
 その後も、米財務長官が、『リーマンの救済について全く考えていなかった』発言(http://markets.nikkei.co.jp/features/12.aspx?site=MARKET&genre=000z3&id=AS2N1504K%2015092008)などが伝わり、金融株全般に不安が高まったことから、再び下落に転じ、下げ幅はとうとう500ドルを突破。結局、終値ベースでも前日比504ドル48セント安い10917ドル51セントと、11000ドルの大台を割り込んで終了してしまいました。
 とりわけ、経営不安説が市場に広まっているAIGは61%安、JPモルガンが救済する噂のあるワシントン・ミューチュアルも27%の大幅下落となったようですが、市場は更なる破綻を恐れ、まるで次に犠牲になる会社がどこかを探しているかの様相に…。
 それにしても、インド・シンガポール・台湾の各市場が3-4%の下落で終了し、先にスタートした欧米市場も下落率が4%を越えてスタートする(最終的にはイギリス株は3.92%の下落、ドイツDAXも2.74%の下落)中、かなりの下げになることは予想できましたが、まさか500ドルを超える下げ幅を記録するとは…。
 ちなみに、15日の下げ幅は、あの米同時テロ直後の2001年9月17日(684ドルの下落)以来の大きさで、「ブラックマンデー」の1987年10月19日(508ドルの下落)に匹敵するものでした(下落幅は過去6番目)が、結局のところは、『どうせ米政府はリーマンを救済するだろう』という甘い市場の見通しが見事に裏切られる形になり、市場に疑心暗鬼が走ったことが、これ程までに大きな下げ幅につながったのだと思われます。

 また、このリーマン騒動による金融不安の影響で早々に一時1ドル104円台まで円が急騰し、16日午前11時を少し回った時点での為替水準も、対ドル円で先週末比3円26銭円高の104.23-27銭、対ユーロ円でも先週末比2円73銭円高の148円56-62銭まで円高が進行。
 今度は一時的な円高ではなく、中長期的に円高が定着しそうな雰囲気ですし、業績の下方修正を余儀なくされる企業が続出すれば、日本経済にも大きな影響を与えそうな嫌な予感がしますね。

 一方の、NY原油は夜の時間外取引で一時93.50ドルまで下落し、終値ベースでも通常取引が先週末比5.47ドル安い95.71ドルで終了。こちらはリーマンの破綻やバンカメによるメリルリンチの救済合併などで景気の減速が世界的に広がり、需要が低迷するとの思惑が広がってしまったようで、ハリケーンの原油精製施設に与えた被害が予想程酷くなかったことも下落に拍車をかけたものと思われます。

リーマン・ブラザーズが破産法申請 ニュース9本

2008-09-16 11:15:11 | Weblog
リーマン・ブラザーズ破綻、破産法申請 2008年9月16日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0915/TKY200809150142.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080915k0000e020024000c.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT2N1504215092008.html
 米証券大手リーマン・ブラザーズは15日未明(日本時間同日午後)、連邦破産法11条の適用を申請すると発表し、実質的に破綻(はたん)した。米欧の金融機関との間で身売りや出資受け入れなどの交渉を続けたがまとまらず、自力再建を断念したものとみられる。
 リーマンは1850年創業で世界30カ国に拠点を持ち、従業員は計約2万9千人。今年3~5月期決算で上場以来初めての当期赤字に転落し、6~8月期決算でも2四半期連続の赤字になる見込みだと今月10日に発表していた。サブプライム関連の損失を計上してきたが、さらに損失が出る恐れのある不動産関連の資産を多く保有していたため、株価急落が続いていた。

リーマン、資産運用部門などの売却交渉は継続 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT2N1503S15092008.html
 破産法申請を決めた米大手証券リーマン・ブラザーズは15日、資産運用や投資銀行業務の一部について、今後も売却交渉を続けることを明らかにした。資産運用部門には有力運用会社のニューバーガー・バーマンなどがあり、複数の買い手と交渉が進んでいるという。

リーマン破綻で欧州中銀が短期資金緊急供給 4兆5600億円 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT2R1500815092008.html
 欧州中央銀行(ECB)は15日午前、金融市場に短期資金を緊急供給すると発表した。300億ユーロ(約4兆5600億円)の翌日物を金融機関に提供し、金融市場の安定を図るのが狙い。米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻を受けて欧州でも金融不安が広がり、銀行間取引金利が急上昇していた。
 英国の中央銀行であるイングランド銀行は15日午前、米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻を受け、ロンドン短期金融市場で50億ポンド(約9500億円)の緊急資金供給を実施した。
 市場参加者によると、朝方の短期市場は信用不安から資金の出し手が減り、ほとんど取引が成立しない状態。

米FRB、市場への資金供給制度拡充 担保拡大など 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080915AT2N1502Z15092008.html
 米連邦準備理事会(FRB)は14日、FRBによる資金供給時に金融機関から受け取る担保拡大など、市場への流動性供給制度を拡充すると発表した。
 担保拡大は、証券会社向けの資金供給制度(プライマリー・ディーラー・クレジット・ファシリティ=PDCF)と国債供給制度(ターム・セキュリティ・レンディング・ファシリティ=TSLF)が対象。従来よりもリスクの高い証券でも、FRBが受け取れるようにする。また、一部の入札制度では、入札間隔を短くしたり、入札時の資金供給額を拡大したりする措置もとる。

バーナンキFRB議長「市場の混乱を緩和」 資金供給拡大で 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080915AT2N1502Y15092008.html
 バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は14日夜、資金供給制度拡大を受け「潜在的リスクと市場の混乱を緩和するための措置」との声明を発表した。
 声明によると、議長は「この週末、財務省などと連携し市場参加者と協議してきた」と発言。「世界の金融市場の状況について情報を交換し注視するため、海外の当局や中央銀行とも接触してきた」と明らかにした。

米大手金融10社、共同で700億ドルのファンド設立 資金繰り相互支援 2008年9月16日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080915AT2N1503815092008.html
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0915/TKY200809150130.html
 米シティグループなど大手金融機関10社は14日、リーマン・ブラザーズ破綻を受けた金融市場の混乱に備え、共同で計700億ドル(7兆4000億円)のファンドを設立すると発表した。1社あたり70億ドルを出し合い、資金繰りを相互に支え合う。10社の中で資金が必要な金融機関は、担保を差し出せば最大で230億ドルを同ファンドから借りられる。
 ほかに参加するのはバンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、クレディ・スイス、ドイチェバンク、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、メリルリンチ、モルガン・スタンレー、UBS。今後、参加企業が増え、ファンドが増額される可能性もあるという。相対取引でも資金を融通し合うことや、リーマンとのデリバティブ(金融派生商品)取引の清算などでも協力することを確認した。

金融庁、リーマン証券に資産保有命令 国外流出防ぐ狙い 2008年9月16日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0915/TKY200809150168.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT2C1500515092008.html
 米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)を受けて、金融庁は15日、日本法人であるリーマン・ブラザーズ証券に対し、金融商品取引法に基づき資産の日本国内での保有命令と業務改善命令を出した。
 同社の資産が国外の関連会社などに流出し、日本の債権者や投資家の利益が害されるのを防ぐのが狙い。日本国内の資産を正確に把握し、投資家から預託を受けた資産の保全を命じたほか、会社の財産を不当に使うことがないよう命じた。
 金融庁によると、同社の預かり資産は、法人の機関投資家や個人の富裕層の合計で約1兆2000億円にのぼる。

日本の金融機関、リーマン向けに1700億円融資 あおぞら銀など 2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT2N1504G15092008.html
 経営破綻した米大手証券リーマン・ブラザーズに、日本の金融機関が計16億7000万ドル(1700億円)を融資していることが分かった。リーマンがニューヨーク連邦破産裁判所に提出した大口債権者リストで明らかにした。
 債権額が最も多いのはあおぞら銀行で4億6300万ドル(490億円)。次いでみずほコーポレート銀行が3億8200万ドル、新生銀行が2億3100万ドルを融資している。ほかに三井住友銀行、信金中央金庫、中央三井信託銀行、日本生命保険も融資している。
 上位30件の大口債権のうち、日本の金融機関が9件を占めた。


リーマン・ブラザーズ日本法人、民事再生法の適用申請2008年9月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916AT2C1600116092008.html
 米証券大手リーマン・ブラザーズの日本法人、リーマン・ブラザーズ証券(東京・港、桂木明夫社長)は16日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。米本社が米連邦破産法の適用を申請したのを受け、日本での顧客資産の保全を円滑に進める狙いだ。



 前日のアメリカ金融市場は、普段ならば、どの記事が1面トップを飾ってもおかしくないようなビッグニュースが、相次いで飛び込んできました。
1)リーマン・ブラザースの経営破たん
2)バンカメによるメリルリンチの救済合併
3)AIGの事業売却報道&NY連銀へのつなぎ融資

 まあ、リーマンについては、破綻前日の時点で雲行きが怪しそうとだとは思っていましたが、公的資金をつぎ込まないことが決まり、15日の未明に政府と民間金融機関の協議が物別れになったことで、あっけなくジ・エンド(連邦破産法11条の適用申請)となる結末まではさすがに予想していませんでしたし、正直ここまで早い段階で、政府が荒療治を取ってくるとは予想外でしたね…。
 ちなみに、市場筋では、公的資金が投入されなかった理由として、
1)ベア・スターンズは証券化商品の根付けに関して相当詳しい会社なので、これがなくなると証券化ビジネスそのものが怪しくなるのに対して、リーマンは規模こそ大きいものの、これがないと立ち行かなくなる特別なコンテンツを保有していなかったこと
2)もしリーマンを救済したら、他の多くの金融機関も救済を求め、キリがなくなってしまうため、一定の所で線引きしなければ、金融業界そのものがモラルハザードにつながりかねないと判断したこと
3)3月に実質破綻したベア・スターンズと比べると、リーマンには経営危機に陥ってから経営を立て直す時間が数ヶ月もあったのに、経営陣が具体的な対策が講じなかったことで自己責任論が求められたこと
4)大統領選挙を前に公的資金を投入すると国民の反発を買いかねないこと
 などが指摘されているようですが、90年代後半から日本で投入された公的資金が累計31兆円にも及び(うち資本注入約13兆円、破綻処理18兆円)、アメリカでも住宅金融公社に投入する資金が最大で20兆円超になると見込まれていることから、民間金融機関までソフトランディングさせていては、いくらお金があっても足りないと判断したのではないでしょうかと私は見ています。
 おそらく、今後も民間金融機関に対しては、余程特殊な経営ノウハウを保有し、その金融機関が退場すれば市場そのものが成り立たなくなる可能性のあるところ以外は救済しない方針を貫くつもりではないかと思われますが、問題はその方針をいつまでも貫くことができるかどうか…。
 基本的には大統領選が終わるまでは大幅な政策変更は行いにくいとは思いますが、株価やドルの下落ペースがあまりにも大きいようだと、再び民間金融機関に公的資金を投入したり、(一歩間違えばインフレを誘発しかねませんが)実質物価上昇率がマイナスとなる水準までの金利の引き下げといった選択肢もあるのかもしれませんね…。

 参考までに、日本ではリーマン向けの債権はあおぞら銀行やみずほコーポレート銀行など8行が計約1750億円程保有していて、他にもリーマンが関わった金融派生商品で損失が出る可能性があるのだとか…。処理の進め方次第では、日本の金融機関の業績にも大きく影響してきそうです。