アリタリア、再生困難な情勢に 投資家グループが救済策撤回 2008年9月19日 産経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080919AT2M1900719092008.html
イタリアのアリタリア航空の救済問題で、同国企業などの投資家グループは18日、労組に提示していた救済策を撤回した。最後の救済策と期待されていた投資家グループの提案が白紙に戻り、アリタリアの再生は事実上困難な情勢になった。
ロイター通信などによると、同グループの提案では約2万人の従業員のうち約3000人の削減が避けられず、9労組のうち6労組が反対。同グループが期限とした18日夕までに救済策受け入れでまとまらず、グループ参加企業などが全会一致で撤回を決めた。
アリタリアは燃料購入の資金調達も厳しい状態と伝えられる。同社は既に投資家グループの救済策を前提に更生手続きを開始しており、このまま新たな提案がなければ会社清算が不可避となる恐れも出てきた。
アリタリア航空といえば、つい先月(8月)の29日に1800億円の負債を抱えて会社更生手続きに入り、採算性のある事業部門と不採算部門を分割した上で、存続する部門をルフトハンザ航空と関係の深い国内第二位のエアワンと合併させた上で、長距離路線については欧州の航空大手に提携・出資してもらう再生案を打ち出していたのですが、その再生案では、新会社は約1.9万人の従業員を5~7千人削減し、現在の190路線も140に縮小する予定。(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/982de24950b5360afd76cd8c5471a214)
さすがに現在の従業員の4分の1強~3分の1強も人員整理するというかなり強引なリストラ案だけに、いくら経営が悪化しているとはいえ、リストラが進みそうな国際線の従業員を中心に猛反発を食らうことは避けられないだろうな…とは見ていましたが、案の定、(従来予定よりは少なくなったとはいえ)3000人の人員削減案に、6労組が強く反発し、その影響で資金が枯渇して、15日以降は欠航が相次ぎ、18日にはグループ参加企業などが全会一致で撤回を決定。事業の存続そのものが難しくなるという最悪のパターンを辿りつつあるようです。
とはいえ、現実問題としてアリタリア航空そのものが地上から消えてしまったら、とてもエアワンだけではイタリアの航空需要を賄うことなど不可能でしょうし、万が一にもこの問題が長期化して、観光客がイタリア離れを起こすことにでもなれば、イタリア経済そのものが冷え込みかねないかと思います。
ナショナルフラッグに雇われていた方々だけにプライドも高く、お給料の引き下げ交渉が難航しているのもわからなくもありませんが、イタリア経済が混乱し、その混乱が続けばユーロ経済の足も引っ張りかねないだけに、この問題は単なる一国の航空会社の問題として片付けるにはあまりにも影響力が大き過ぎますし、いかにアリタリア航空を段階的に縮小させていき、その縮小分を国内2位のエアワンに引き継がせていくか、イタリア政府や周辺の航空グループは非常に難しい対応を迫られることになりそうな気がします。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080919AT2M1900719092008.html
イタリアのアリタリア航空の救済問題で、同国企業などの投資家グループは18日、労組に提示していた救済策を撤回した。最後の救済策と期待されていた投資家グループの提案が白紙に戻り、アリタリアの再生は事実上困難な情勢になった。
ロイター通信などによると、同グループの提案では約2万人の従業員のうち約3000人の削減が避けられず、9労組のうち6労組が反対。同グループが期限とした18日夕までに救済策受け入れでまとまらず、グループ参加企業などが全会一致で撤回を決めた。
アリタリアは燃料購入の資金調達も厳しい状態と伝えられる。同社は既に投資家グループの救済策を前提に更生手続きを開始しており、このまま新たな提案がなければ会社清算が不可避となる恐れも出てきた。
アリタリア航空といえば、つい先月(8月)の29日に1800億円の負債を抱えて会社更生手続きに入り、採算性のある事業部門と不採算部門を分割した上で、存続する部門をルフトハンザ航空と関係の深い国内第二位のエアワンと合併させた上で、長距離路線については欧州の航空大手に提携・出資してもらう再生案を打ち出していたのですが、その再生案では、新会社は約1.9万人の従業員を5~7千人削減し、現在の190路線も140に縮小する予定。(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/982de24950b5360afd76cd8c5471a214)
さすがに現在の従業員の4分の1強~3分の1強も人員整理するというかなり強引なリストラ案だけに、いくら経営が悪化しているとはいえ、リストラが進みそうな国際線の従業員を中心に猛反発を食らうことは避けられないだろうな…とは見ていましたが、案の定、(従来予定よりは少なくなったとはいえ)3000人の人員削減案に、6労組が強く反発し、その影響で資金が枯渇して、15日以降は欠航が相次ぎ、18日にはグループ参加企業などが全会一致で撤回を決定。事業の存続そのものが難しくなるという最悪のパターンを辿りつつあるようです。
とはいえ、現実問題としてアリタリア航空そのものが地上から消えてしまったら、とてもエアワンだけではイタリアの航空需要を賄うことなど不可能でしょうし、万が一にもこの問題が長期化して、観光客がイタリア離れを起こすことにでもなれば、イタリア経済そのものが冷え込みかねないかと思います。
ナショナルフラッグに雇われていた方々だけにプライドも高く、お給料の引き下げ交渉が難航しているのもわからなくもありませんが、イタリア経済が混乱し、その混乱が続けばユーロ経済の足も引っ張りかねないだけに、この問題は単なる一国の航空会社の問題として片付けるにはあまりにも影響力が大き過ぎますし、いかにアリタリア航空を段階的に縮小させていき、その縮小分を国内2位のエアワンに引き継がせていくか、イタリア政府や周辺の航空グループは非常に難しい対応を迫られることになりそうな気がします。