ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

投信のグロソブが一時5079円まで下落 イタリアウェート引き下げへ 関連報道3本

2011-07-23 07:03:12 | Weblog
「グロソブ」基準価額が設定来最低水準つける 足元の円高進行で 2011年07月14日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22209920110714
 国内最大の公募投信である、国際投信の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の基準価額が13日、97年12月18日の設定来最安値の5130円を付けた。欧州ソブリン危機を背景にユーロ安が進行、円も対ドルで急騰したため。
 14日時点の基準価額は前日比10円上昇し5140円。純資産残高は2兆3847億円となっている。
 国際投信は、足元の円高進行についてリポートを発表。その中で、円高進行の背景には欧州債務問題の他に、米国景気の先行き不透明感もあると指摘。先週末に発表された6月雇用統計は市場予想を大きく下回る内容であったほか、12日に公表された議事録では、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では一部の理事が追加的な緩和の必要性を主張していたことも明らかになった、としている。
 急速な円高進行に対しては為替介入に対する警戒感が一定の歯止めになると考えられるものの、当面は円安に転換しにくい地合いの継続を予測している。
 ただ、国際投信では、現在の状況がリスク回避による中長期的な円高トレンドをもたらすとはみておらず、欧州債務問題が引き続き波乱要因ではあるものの、中長期的な予測としては、新興国向け輸出にけん引された世界景気回復と、日本の低金利長期化が意識されるようになれば、円は徐々に主要通貨に対して下落傾向に向かうとの見方を示している。

「グロソブ」ユーロへの投資は高め維持 イタリアも利回りに魅力 2011年07月15日 ロイター
 国内最大の公募投信である、国際投信の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、ユーロへの投資に対して現状の高めの投資比率を維持する方針だ。
 同社がきょう公表した14日時点のウイークリーリポートによると、ユーロ圏国債の組入比率は35.1%で、ベンチマークの31.2%に対してオーバーウエートとなっている。6月末時点の組入比率は36.1%で、ベンチマークウエートは30.6%だった。
 ユーロ圏の中では、ベンチマークに対してイタリアやベルギーが大幅なオーバーウエートになっており、イタリアはベンチマークの7.2%に対して12.9%、ベルギーは2.0%に対して10.5%を組み入れている。
 足元の欧州債券市場は、ギリシャの財政不安問題がイタリアやスペイン等にも波及するのではないかとの懸念から、国債利回りが上昇(価格は下落)したが、国際投信では、イタリア、スペインの両国は金融支援を受けているギリシャ等とは一線を画するとみている。
 イタリアに関しては利払い負担等を除いた基礎的財政収支が良好(2010年のプライマリーバランスはプラス0.1%)であり、スペインに関しては債務残高が相対的に少なく、財政構造改革も進んでいることなどを理由に、利回りは安定に向かうとみているためだ。
 「グロソブ」は、昨年5月のギリシャ危機以降、ユーロが下落した局面をとらえてユーロへの投資比率を引き上げてきたが、米国景気の回復と米ドル高が期待される局面までは、現状の高めの投資比率を維持する方針で、ユーロ圏内におけるイタリアの比率についても、同国のファンダメンタルズに比べて利回りが魅力的な水準であることから、おおむね現状の比率を維持する方針を明らかにした。
 「グロソブ」の(毎月決算型)は13日、欧州ソブリン危機を背景にユーロ安が進行し、円も対ドルで急騰したことで、基準価額が97年12月18日の設定来最安値の5130円を付けた。15日時点の基準価額は5139円。純資産残高は2兆3824億円となっている。

「グロソブ」、ユーロ圏およびイギリスのウエートが低下 円のウエートが10%に 2011年07月23日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK046824120110722
 国内最大の公募投信である、国際投信の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、先週に引き続きユーロへの投資に対して高めの投資比率を維持したものの、ユーロ圏のウエートは前週比0.2%低下し35.0%となった。なかでもイタリアのウエートが0.3%低下し12.6%となった。
 また14日から21日には、ポートフォリオの利回り向上のため、ノルウェー国債からノルウェー・クローネ建て政府機関債等への入れ替えを実施したほか、キャッシュ比率を調整するため、イギリス国債等を売却した。
 同社がきょう公表した21日時点のウイークリーリポートによると、ポートフォリオの構成でみると、イタリアのウエートが前週の12.9%から12.6%に低下。イギリスも同3.1%から2.6%に低下した。
 通貨別構成比はユーロが34.9%(前週は35.1%)。次いで米ドルの17.5%(同17.4%)、スウェーデン・クローナの13.0%(同13.2%)、円が10.0%(同9.4%)──などとなった。前週からのウエートの変化率が大きかったのは円とイギリスポンドで、円は0.6%上昇し、イギリスポンドは0.4%低下した。
 通貨のウエートが10%になった円に関しては、日本国債の組入比率が前週の7.1%から7.2%に上昇、キャッシュ等のウエートが同2.2%から2.8%に上昇した。
 リポートの中で国際投信は、今後の為替市場の見通しについて、欧米経済の回復基調に変わりはなく、今後は円安傾向に向かうとみており、当面は財政や金融システムが相対的に健全な国の通貨である豪ドル、カナダドル、ノルウェー・クローネ、スウェーデン・クローナなどが主要国通貨に対して上昇する展開が予想される、としている。
 「グロソブ」の(毎月決算型)は分配を実施した今週19日、分配落ち後の基準価額が5079円となり、先週13日に付けた97年12月18日の設定来最安値の5130円を更新している。ただ22日時点の基準価額は5141円となっている。





 イタリア国債の利回り急上昇(価格は下落)と急激なユーロ安に伴い、ピーク時には5.7兆円の預かり資産をもち、現在でも2.7兆円と有数の資産規模をもつグローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)の値動きと運用方針に一躍注目が集まっています。
 う~ん。確かに設定来安値をつけたとはいえ、ここ最近の下落はGWから10円近くも円高ユーロ安が進んだ(1ドル80円を割り込むと途端に経済界が大騒ぎするドルとは異なり、ユーロや豪州ドルの場合、たとえ大幅に円高が進んでいてもマスコミ報道でも対ドルでの円高程には大きく報道されません)ことが下落要因の大半を占めているでしょうし、個人的には短期的には更なるユーロ安による基準価額の低下はありうるも、中長期的には落ち着きを取り戻すのではないかと推測しているのですが、ユーロをあえてオーバーウェイトのままにしておくなんて、さすがは外債運用に強みをもつ国際投信。この国際投信の大胆なカケが果たして功を奏するのかそれとも期待外れになるのか要注目だと思います。
 それにしても、預かり資産が日本国内では圧倒的だから…という理由もあるのでしょうが、1つの投資信託に過ぎないのにここ1週間ほどで話題が3本も報道されるなんて…。いろんな意味でこの投信は注目を集めているんでしょうね。


*対ドルと異なり、対ユーロや対豪州ドル、対ブラジルレアルの場合、日本政府による経済界を意識した為替介入の可能性は低いこと、とりわけ高金利の豪州ドルの場合は、FXにも資金が大量に流入していることから、一度通過安が進み始めると短期間に大きく円高に動くことが予想されますし、もし対ドル以外の通貨に投資する場合は、売り抜けるタイミングを強く意識することが運用で損を出さないの第一歩だと考えます。