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米コダック株54%安、終値1ドル割れ

2011-10-01 10:25:00 | Weblog
米コダック株54%安、終値1ドル割れ 2011年10月1日 日経
 米映像機器大手イーストマン・コダックの株価が30日の米株式市場で前日比54%安と急落した。企業再生を助言する米法律事務所と同社が契約したとの米メディア報道をきっかけに、破産法の適用を申請するのではとの観測が広がった。会社側は同日夕に否定声明を発表したが、緊迫した情勢が続いている。
 コダック株の終値は前日比91セント安の78セント。1990年代後半には90ドルを超えたこともあったが、1ドルを割り込んだ。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は同日、コダックが米連邦破産法の活用を含む企業再生の助言で実績がある米法律事務所ジョーンズ・デイと契約したと報道。米ニューヨーク・タイムズ電子版も関係者の話として、コダックが破産法適用の申請を検討していると伝えた。
 コダックは声明で「当社はすべての責務を果たすことに全力を傾けており、破産法の適用を申請する意思は全くない」と反論。保有特許の売却などを通じ再建を目指す戦略に変更はないことを強調した。
 コダックはデジタル製品への対応が遅れて業績が低迷。今夏以降は経営不安説がたびたび浮上していた。9月23日には金融機関との間で設定したクレジットライン(融資枠)から1億6000万ドル(約120億円)を引き出すと発表。これが「運転資金が不足しているのではないか」との観測につながり、26日の株式市場で株価が27%急落。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは27日、コダックのすべての格付けを1段階引き下げると発表していた。




 う~ん。デジカメが急速に世界中に浸透するという企業経営環境の急激な変化に乗り遅れて、経営も急速に悪化しているとは聞いていましたが、あのコダックの株価が1ドル割れとはただただ吃驚としか言いようがありませんね…。
 デジカメを使い慣れている20代以下の方などにはピンとこないかもしれませんが、コダックと言えば富士フィルムと共に世界の3大フィルムメーカーで、20年程前にはまさかこの会社が経営危機に陥るなど想像すらしていなかったのですが、気がつけばコンパクトデジカメでも、安いものは1万うん千円も出せばそこそこの性能の物が購入できるようになり、パソコンに取り込んで不要な写真はボタンクリック1つで削除可能。必要なものだけを家庭用のプリンターで印刷したりカメラ専門店などに持ち込んで印刷したりDVD化できる時代になりましたし、将来性を期待された医療用X線フィルム等のヘルス事業はとっくに売却済。
 おそらく単独での事業再建は相当困難かと思いますが、スポンサーが現れるのか、それとも(ポラロイドと同じ)最悪のシナリオを辿ってしまうのか、老舗企業の経営再建を巡ってにわかに注目を集める事例となりそうです。