十和田観光電鉄が廃線へ…東北新幹線延伸響く 2011年10月7日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111007-OYT1T00242.htm
青森県十和田市の十和田観光電鉄は6日、同市と三沢市を結ぶ鉄道路線(約15キロ)を今年度内に廃止し、バス路線に転換する方針を決めた。
7日の臨時取締役会で正式決定する見通し。
1922年に開通し、高校生らの通学の足として利用されているほか、十和田湖や奥入瀬渓流の観光鉄道としても人気があったが、昨年12月に開業した
東北新幹線・七戸十和田駅(同県七戸町)が十和田観光の表玄関として機能し始め、客離れが加速した。利用客は1970年度に約165万人を記録したが、少子化や人口減の影響で昨年度は約46万人だった。同社は沿線3市町に、設備投資費用など今後10年間で約5億2000万円の財政支援を求めていたが、今月に入って拒否された。
(参考)青森・十和田電鉄、廃線の危機 少子化や震災が影響 2011年09月06日 朝日
http://www.asahi.com/travel/rail/news/TKY201109050534.html
青森県の三沢―十和田市間14.7キロを結ぶ十和田観光電鉄が廃線の危機を迎えている。少子化による利用客の減少に、東北新幹線七戸十和田駅の開業や東日本大震災が追い打ちをかけた。沿線自治体に財政支援を求めているが、議会や市民から否定的な意見が相次いでいる。
「財政支援をしても経営の上向きは見込めない。思い切って、鉄道から手を引く勇気も大切」
5日、同社への財政支援の是非を話し合う六戸町議会の全員協議会で、町議から厳しい意見が相次いだ。
十和田観光電鉄は、1922年に開業した。乗客の約8割を沿線の高校や中学に通う学生が占める。少子化の影響で、乗客は2001年度の70万人から、昨年度は45万9千人にまで減った。
七戸十和田駅が出来たため、新幹線に乗るために同電鉄と在来線で八戸に向かう必要がなくなったことが乗客減に拍車をかけた。同社経営のホテルや貸し切りバスによる収入も、震災で減少したという。
同社は、今年度から10年間での累積損失は7900万円にのぼると試算。設備投資には10年間で7億3100万円が必要になるため、国と県の補助額を除いた4億2100万円と、10年間の修繕費1億円の計5億2100万円を支援するよう十和田、三沢の両市と六戸町に要請している。
これまでに3市町すべての議会で財政支援の是非が話し合われ、いずれも反対する意見が多数を占めた。
利用者からは、廃線もやむを得ない、といった声が多く聞かれた。
三沢市から三本木高校(十和田市)へ電車で通学する龍見優冶君(17)は「無くなるかもしれないと聞いて驚いたけど、バスが代わりに走ってくれれば、僕は問題ないと思う」。週1回、同電鉄を利用して十和田市の病院に通う六戸町の主婦(75)は「冬、吹雪の中、バス停で待つのはつらい。鉄道は残して欲しい。でもそんなことも言ってられないくらい乗客が少ないのも事実」。
十和田市の小山田久市長は「存続を望む市民の声がほとんど聞こえてこない。市民の皆さんは財政支援に納得してくれるかどうか」と消極的だ。六戸町の吉田豊町長も「公共交通といえども一民間会社。公金を出すべきものなのか」と疑問を投げかける。
同社は、3市町の回答を受け、今月中に今後の対応を決める。廃線となれば、代わりに路線バスを走らせることになるという。
十和田観光電鉄、廃線・バス転換を正式表明へ 2011年10月8日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111008-OYT1T00198.htm
十和田観光電鉄は7日、臨時取締役会を開き、鉄道を廃止してバス路線に転換する方針を決めた。
沿線自治体関係者が集まる11日の会合で撤退を正式に表明し、代替手段となるバス路線について説明する見通しだ。
複数の関係者によると、同社は、11日の「十和田観光鉄道活性化協議会」で、鉄道事業から年度内にも撤退することを表明した後、バスの運行形態やダイヤの方針について説明する。会合には利用者の8割を占める学校関係者が参加するため、運賃や運行ルートも議論の焦点になりそうだ。
同社は既に廃線の手続きや路線開設の手順を関係機関に確認しており、年内にもバス路線の事業計画をまとめたい考え。今後、関係自治体などと協議を重ね、来年4月に運行を始める方針だ。ただ、自治体側には「バスに替えて成功だったと思える公共交通にするためにも、計画はじっくり練り上げたい」との思惑もあり、難航する可能性もある。
十和田観光電鉄がとうとう廃線に追い込まれてしまうようです。
立地的に考えて、十和田市よりも北にある七戸町にある東北新幹線・七戸十和田駅の開業が本当に影響があったのかどうかは正直微妙だと思いますが、十和田観光電鉄と言っても、十和田湖のすぐ側どころか、十和田市役所や十和田温泉のあるかなり手前までしか伸びていないことから、十和田湖や奥入瀬観光への拠点としては利用しにくかったと思いますし、少し気になって十和田湖への主要アクセス手段を調べてみると、
1)東北新幹線盛岡駅から岩手県交通盛岡・十和田湖号に乗って約2時間15分
2)東北新幹線八戸駅からJRバス東北おいらせ号に乗って約2時間20分
3)JR東日本/青い森鉄道青森駅からJRバス東北みずうみ号に乗って 約3時間
4)十和田観光電鉄線十和田市駅から十鉄バス十和田湖観光線に乗って約1時間40分
5)花輪線十和田南駅から秋北バス急行十和田湖八幡平線に乗って約1時間
などなど、いずれの手段を用いても1時間~3時間の移動を強いられる模様。
四半世紀前の私がまだ若かった頃に、十和田湖や乙女の像を見て、翌日奥入瀬渓流を歩く東北旅行に行った頃もこんなにアクセスが不便だったかな…と少し考え込んでしまった(当時は十和田観光電鉄も国鉄時代ですし、十和田湖のもう少し近くまで国鉄でアクセスできたように思いますが、私の記憶違いでしょうか…)のですが、本来の観光地までお客を運べない観光電鉄では肝心の旅行客の顧客ニーズも満たせませんし、非常に残念ではありますが、地域の足として残すことはできなかったのかな…としくじたる思いがします。
代替手段としてバスが走ることになるようですが、宮崎の高千穂へも今は電車でいけなくなる(現在はバス輸送)などアクセスが不便になっているだけに、マイカーを保有しない地域の住民や旅行者にとっては受難の時代になったのかな…と少し考えさせられるものがありました。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111007-OYT1T00242.htm
青森県十和田市の十和田観光電鉄は6日、同市と三沢市を結ぶ鉄道路線(約15キロ)を今年度内に廃止し、バス路線に転換する方針を決めた。
7日の臨時取締役会で正式決定する見通し。
1922年に開通し、高校生らの通学の足として利用されているほか、十和田湖や奥入瀬渓流の観光鉄道としても人気があったが、昨年12月に開業した
東北新幹線・七戸十和田駅(同県七戸町)が十和田観光の表玄関として機能し始め、客離れが加速した。利用客は1970年度に約165万人を記録したが、少子化や人口減の影響で昨年度は約46万人だった。同社は沿線3市町に、設備投資費用など今後10年間で約5億2000万円の財政支援を求めていたが、今月に入って拒否された。
(参考)青森・十和田電鉄、廃線の危機 少子化や震災が影響 2011年09月06日 朝日
http://www.asahi.com/travel/rail/news/TKY201109050534.html
青森県の三沢―十和田市間14.7キロを結ぶ十和田観光電鉄が廃線の危機を迎えている。少子化による利用客の減少に、東北新幹線七戸十和田駅の開業や東日本大震災が追い打ちをかけた。沿線自治体に財政支援を求めているが、議会や市民から否定的な意見が相次いでいる。
「財政支援をしても経営の上向きは見込めない。思い切って、鉄道から手を引く勇気も大切」
5日、同社への財政支援の是非を話し合う六戸町議会の全員協議会で、町議から厳しい意見が相次いだ。
十和田観光電鉄は、1922年に開業した。乗客の約8割を沿線の高校や中学に通う学生が占める。少子化の影響で、乗客は2001年度の70万人から、昨年度は45万9千人にまで減った。
七戸十和田駅が出来たため、新幹線に乗るために同電鉄と在来線で八戸に向かう必要がなくなったことが乗客減に拍車をかけた。同社経営のホテルや貸し切りバスによる収入も、震災で減少したという。
同社は、今年度から10年間での累積損失は7900万円にのぼると試算。設備投資には10年間で7億3100万円が必要になるため、国と県の補助額を除いた4億2100万円と、10年間の修繕費1億円の計5億2100万円を支援するよう十和田、三沢の両市と六戸町に要請している。
これまでに3市町すべての議会で財政支援の是非が話し合われ、いずれも反対する意見が多数を占めた。
利用者からは、廃線もやむを得ない、といった声が多く聞かれた。
三沢市から三本木高校(十和田市)へ電車で通学する龍見優冶君(17)は「無くなるかもしれないと聞いて驚いたけど、バスが代わりに走ってくれれば、僕は問題ないと思う」。週1回、同電鉄を利用して十和田市の病院に通う六戸町の主婦(75)は「冬、吹雪の中、バス停で待つのはつらい。鉄道は残して欲しい。でもそんなことも言ってられないくらい乗客が少ないのも事実」。
十和田市の小山田久市長は「存続を望む市民の声がほとんど聞こえてこない。市民の皆さんは財政支援に納得してくれるかどうか」と消極的だ。六戸町の吉田豊町長も「公共交通といえども一民間会社。公金を出すべきものなのか」と疑問を投げかける。
同社は、3市町の回答を受け、今月中に今後の対応を決める。廃線となれば、代わりに路線バスを走らせることになるという。
十和田観光電鉄、廃線・バス転換を正式表明へ 2011年10月8日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111008-OYT1T00198.htm
十和田観光電鉄は7日、臨時取締役会を開き、鉄道を廃止してバス路線に転換する方針を決めた。
沿線自治体関係者が集まる11日の会合で撤退を正式に表明し、代替手段となるバス路線について説明する見通しだ。
複数の関係者によると、同社は、11日の「十和田観光鉄道活性化協議会」で、鉄道事業から年度内にも撤退することを表明した後、バスの運行形態やダイヤの方針について説明する。会合には利用者の8割を占める学校関係者が参加するため、運賃や運行ルートも議論の焦点になりそうだ。
同社は既に廃線の手続きや路線開設の手順を関係機関に確認しており、年内にもバス路線の事業計画をまとめたい考え。今後、関係自治体などと協議を重ね、来年4月に運行を始める方針だ。ただ、自治体側には「バスに替えて成功だったと思える公共交通にするためにも、計画はじっくり練り上げたい」との思惑もあり、難航する可能性もある。
十和田観光電鉄がとうとう廃線に追い込まれてしまうようです。
立地的に考えて、十和田市よりも北にある七戸町にある東北新幹線・七戸十和田駅の開業が本当に影響があったのかどうかは正直微妙だと思いますが、十和田観光電鉄と言っても、十和田湖のすぐ側どころか、十和田市役所や十和田温泉のあるかなり手前までしか伸びていないことから、十和田湖や奥入瀬観光への拠点としては利用しにくかったと思いますし、少し気になって十和田湖への主要アクセス手段を調べてみると、
1)東北新幹線盛岡駅から岩手県交通盛岡・十和田湖号に乗って約2時間15分
2)東北新幹線八戸駅からJRバス東北おいらせ号に乗って約2時間20分
3)JR東日本/青い森鉄道青森駅からJRバス東北みずうみ号に乗って 約3時間
4)十和田観光電鉄線十和田市駅から十鉄バス十和田湖観光線に乗って約1時間40分
5)花輪線十和田南駅から秋北バス急行十和田湖八幡平線に乗って約1時間
などなど、いずれの手段を用いても1時間~3時間の移動を強いられる模様。
四半世紀前の私がまだ若かった頃に、十和田湖や乙女の像を見て、翌日奥入瀬渓流を歩く東北旅行に行った頃もこんなにアクセスが不便だったかな…と少し考え込んでしまった(当時は十和田観光電鉄も国鉄時代ですし、十和田湖のもう少し近くまで国鉄でアクセスできたように思いますが、私の記憶違いでしょうか…)のですが、本来の観光地までお客を運べない観光電鉄では肝心の旅行客の顧客ニーズも満たせませんし、非常に残念ではありますが、地域の足として残すことはできなかったのかな…としくじたる思いがします。
代替手段としてバスが走ることになるようですが、宮崎の高千穂へも今は電車でいけなくなる(現在はバス輸送)などアクセスが不便になっているだけに、マイカーを保有しない地域の住民や旅行者にとっては受難の時代になったのかな…と少し考えさせられるものがありました。