ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

「大飯、活断層あれば停止」 規制委委員長候補の田中氏

2012-08-01 12:55:21 | Weblog
「大飯、活断層あれば停止」 規制委委員長候補の田中氏 2012年8月1日 日経夕刊
 衆院は1日午前の議院運営委員会で、政府が新たな原子力規制組織「原子力規制委員会」の委員長候補として提示した田中俊一・元原子力委員会委員長代理(67)から所信を聴取した。原発の再稼働について「政府の判断基準も含め、慎重に確認評価する」と強調。すでに再稼働した関西電力大飯原発3、4号機に関しては「活断層が見つかった場合には止めてもらう」と明言した。
 政府は9月上旬の規制委発足を目指し、早期の国会同意を求めている。各党は所信聴取を踏まえ、党内で検討したうえで今月上旬に衆参両院本会議で採決する見通しだ。
 田中氏は原発再稼働について「安全かどうか厳しく判断する」と述べ、電力需給やエネルギー政策には配慮せず、安全規制に取り組む姿勢を強調。運転開始から40年で原則廃炉とする方針に関しては「40年を超えた原発は厳格にチェックし、要件を満たさないものは運転させない姿勢で臨むべきだ」と語った。
 活断層を巡っては、経済産業省原子力安全・保安院が、大飯原発のほか、日本原子力発電敦賀原発や北陸電力志賀原発について調査を指示している。
 田中氏は東京電力福島第1原発事故の教訓について「どんなに反省しても反省しきれるものではない」と指摘。「日本のために身を投げ出すべきではないかと考えて就任を決心した」と今後の安全対策に責任を負う決意を表明した。
 田中氏は旧日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)の出身で、日本原子力学会会長も務めた。福島第1原発事故後は「原子力の平和利用を進めてきた者として国民に深く陳謝する」として福島県内の除染活動などに注力してきた。
 一方、田中氏には原発再稼働に慎重姿勢をみせる与野党議員から「原子力ムラの一人」と同意への反対論もある。田中氏は「経歴をもって言われるなら否定しないが、透明性が大事なので事業者と一線を画した規制ができる」と反論した。午後には参院議運委も所信聴取と質疑を実施する。



 う~ん。この「原子力規制委員会」の委員長候補の田中俊一・元原子力委員会委員長代理による「大飯、活断層あれば停止」発言。
 アンチ原発派を黙らせるにはこの位は言わなければ収まらないとの判断なのだと思いますが、もし活断層が発見されたら、たとえ真夏であっても即時停止など本当にできるんでしょうかねぇ…(汗
 感情論で脱原発を叫ぶ方の多くが、中長期的なエネルギー供給については楽観論・精神論で捉えがちで、もし本当に突然停電になったらどうなるのかのシナリオ分析が十分にできていないと思いますし、とりわけ関西電力管内は大飯原発の再稼働がなければ最悪大阪市営地下鉄構内(注:車内は冷房を効かせるとのこと)のエアコンを電力ピーク時に3時間止めることさえ真剣に議論されたようなエネルギー供給が絶対的に足りない地域。
→ 地下鉄と言っても御堂筋線など地上区間を走っている路線もありますし、万が一にも人身事故が発生したら駅構内は大混雑に陥ること必至。その状況下でエアコンを使わないとなれば、夏場ならば熱中症患者の大量発生にもつながりかねないでしょう。

 他の発電手法で電力供給を賄っていくとしても、供給割合を変更していくにはそれこそ数年・十数年レベルの中長期で変えていくしかないでしょうし、「活断層あれば停止」という決断一つとっても、電力供給に比較的余裕のある北陸電力の志賀原発と比べるとその意味することは数段重く、関電の大飯でも同じような判断が本当に下せるのか正直疑問に思いますね。