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「ハリボテ3階建て」で住宅ローン詐取…被害3億か

2009-03-07 18:14:47 | Weblog
「ハリボテ3階建て」で住宅ローン詐取…被害3億か 2009年3月1日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090301-OYT1T00126.htm
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0228/TKY200902280213.html
 外観だけの3階建て住宅を建てて、住宅ローン名目で千葉信用金庫(千葉市中央区)から約4460万円をだまし取ったとして、警視庁は28日、東京都杉並区成田東の不動産会社社長栗原清高(58)、台東区根岸の風俗店経営石田茂樹(54)両容疑者ら4人を詐欺などの容疑で逮捕した。
 同庁幹部によると、栗原容疑者らは2003年5月までに、同様の手口で首都圏の複数の信用金庫から約3億円をだまし取ったとみられ、裏付けを進めている。
 ほかに逮捕されたのは、杉並区和田の会社員白井憲二(43)と千葉県柏市南逆井の会社役員牧東洋治(58)の2容疑者。
 発表によると、4人は共謀して、石田容疑者の納税証明書を偽造し、千葉信金に提出。石田容疑者が「私は歯科医で、千葉市内に家を建てたい」とウソをつき、02年6月~8月に2回、約4460万円を同信金からだまし取った疑い。
 4人は同信金の現地調査をごまかすため、千葉市中央区の土地を約1300万円で購入して、約600万円かけて内部は空洞の3階建て住宅を建築していた。



 う~ん…(滝汗 信用金庫といえばどぶ板営業が売りですし、マイホーム融資をした以上は、何かと名目をつけて融資対象者の信用調査をしたり、建物内部の進捗状況を見せてもらうように話を仕向けることで、このような詐欺は成り立たないとばかり思っていたのですが、終戦直後ならまだしも、さすがにこのような古い詐欺の手口にひっかかるとは信金側も思っていなかったのでしょうか???
 まあ、千葉信金の場合、信金と言っても預金積金残高が平成20年9月末時点で9239億6400万円と並みの地銀並みの規模を持っていたことから、個別融資に対するチェックも官僚的になっていたのかな…と思わなくもないのですが、それにしても、随分初歩的な詐欺の手口に引っかかったものだと思います。

 ちなみに、この一連の事件では、この他にも計6軒の張りぼて住宅を建てて計3億円を騙し取っていた(朝日記事)ようですが、一つだけわからないのが、もし私が詐欺師の立場なら、(不自然でない範囲内で)もっと土地の値段の安い場所を選んで詐欺行為を考えるのに、今回はその舞台が千葉市中央区(千葉市の玄関口となるJR千葉駅も中央区に位置します)という、千葉県の中では比較的土地代が高い場所を選んでいるということ。
 普通詐欺を行なうならば、当然投資効率を考え、土地代は不自然でない範囲内でできるだけ安い場所を選ぶことで、騙し取る金額を少しでも多くしようと考えるのが犯罪者の心理ではないかと思うのですが、もし金融機関を信用させるために、あえて土地代が割高な土地を選んでいたとすれば、今度詐欺師集団の中に同様の手口が広がりかねませんし、融資を行なう金融機関側も融資対象者の信用調査など一連のチェックシステムを根本的に見直していかないといけないのかな…などということをつい考えてしまいました。


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