日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

昨日のお茶事(茶飯釜)

2005-04-25 | 仕事・建物
 昨日は正午の茶事に行きました。

炉に釣るされたお釜(釣り釜)でご飯を炊き食す、一寸砕けたお茶事です。
研いだお米が水を切って、白い直径10センチ程度の袋に筒状に入れてあります。
炉のお炭をたっぷり入れた炭手前を拝見し、羽根のついた専用のお釜に袋から直接注ぎ入れます。

以前の会では、ご飯が炊ける間に和歌を読み、筆で短冊に記し回し読みをする風雅なものでしたが、人間が風雅以前(私)で、ご飯が炊け過ぎになって仕舞いました。
その他謡曲や琵琶の演奏、舞いなどを楽しむこともありですが、こちらも風雅以前の懐状態。
今回はおしゃべりにとどめました。

途中亭主が「火吹き竹」で炭火の勢いを調整。
上手に吹いて、灰神楽にならず、火花が散るのも風雅でした。
お話を30分位したころ、そこはかとないおこげ香り。
お釜を炉から外し、直ぐに飯わんに一文字に入れて食べる美味しさ。
まだ柔らかくほんのりとした甘さ。
お茶事の楽しみの一つです。
お釜のご飯を取っ手のついた木の「おひつ」へ移されるのを見ながら懐石を頂きます。
この日のメイン懐石お椀は「桜餅しんじょ・巻き海老・こごみ」でした。
その他のお料理も春の山菜やサヨリの細作りなど春爛漫。
小吸い物に何やら白いブツブツした食感、初めての味です。
皆で「植物系」「海もの系」など言い合いますが分かりません。
答えは「海藤花」タコの卵の乾燥した食品。
「昔はどこの乾物屋さんにもありましたがねえ、今回は京都の錦から取り寄せました」とのこと。

懐石、お菓子が終わると仲立ち、腰かけ待ちあいにでます。
銅鑼の合図で入席し、お濃い茶・お薄と続くご飯の焚き方だけが違う正午の茶事でした。

待合いや本席のお軸やお花、全て堪能しましたが、記憶に残るのは美味しく頂いた懐石。
お茶人の範疇に入らないお客ぶりです。

お話の途中で雑誌「自遊人」に席の「星岡」が掲載されていると知り、早速帰りに所望。
「海藤花」が載っていました。

折しも読書中が「利休遺偈」(ゆいげ)(作者・井ノ上康之)
夜には読み終り気分だけは「お茶人」の一日でした。
コメント (2)
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