日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

桐野夏生「ローズガーデン」解説 

2007-02-14 | 読書
桐野夏生は硬派の作家だ
文庫本化されたらすぐに読むうちの1人
しかしこの「ローズガーデン」は00年書き下ろし03年文庫本発行
見落としていたらしい。

昨年「ダーク」で主人公の探偵のミロにひどく衝撃を受けて
ミロの他のを読み返していたが、変化に納得がいかなかった。
が、この「ローズガーデンで」分かった。
もともと世間の常識、人間の常識をはずれたキャラクター
欲しいものは手に入れて、自分の欲望に突き進む
少しの間常識人になり、ちょっとした感情の爆発(?)ではずれる。
なんとはなしに作者の意図が見えてきた。

それはともかく、文体によってひどく違和感を覚える見本がここにあった。
「解説」は別物なのだが、余韻で最後まで読み進む。
トットと快調に進む物語を解説の「桃谷方子」は一遍させた。
「あるでしょう」「します」「ではないでしょうか」
「おい・おい・おいやめて!」叫びたくなる。
夏生氏は「であった」「だった」歯切れの良い文章が急にトーンダウン。
言っている事、モトイ書いている事は至極まともで内容に則している。
しかし・・・

夏生さんのお上品なお友達だったのだろうか?
「ですます」調を「である」調に変換出来なかったのだろうか?

原稿を書く時には大体が「です、ます」にしてくださいと言われる。
時に「である」調でと言われると書きたい事を書いていいような解放感が沸く。
読み進み方ととらえ方が最後の数文字で
とんでもなく違ってしまう事の見本としか思えない。

桐野夏生さん、いや出版社の責任か?
これからは最後まで調子よく読ませてね!
コメント
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