日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

小説「久遠」角の取れた鳴沢了

2008-09-04 | 読書
堂場瞬一の刑事・鳴沢了シリーズの10番目「久遠」
発売されて直ぐの6月末に読んでいた。
最初に読んだ「雪虫」では本屋さんの
極く目立たない場所に少しだけ置いたあったが
「久遠」になると全シリーズがコレデモカと並べられている。



人気が出たことはうれしいが
期待曲線は上昇カーブを描き
作成曲線は下降カーブをなす(と思う)
曲線とは無縁の一直線刑事は作中でも
「変りましたね」と言われるほど角が取れた。
その分、個性は薄れ、意外性がなくパワー不足となる。

その当りは作者も承知であろうが
読者としては気落ちすることになる。

生まれた時から「刑事」気質の鳴沢は「仏のデカ」の祖父を亡くし
「・・のデカ(忘れた)」の父を失い
この先は失った家族の補てんをすべく(極論です)
家族を増やしていくことになりそうだが
作家「堂場瞬一」はどんな次作で行くのだろうか?

角の取れた刑事を快く思わないのなら
「アッ」と驚く上昇曲線を用意するのだろうし
(あるいはシリーズ終了)
ギクシャクとした家庭ながら犯人逮捕邁進するのだろうか?
どう間違っても、居心地のいい家庭から犯人を追ってもらいたくない。
家庭円満の刑事は今野敏作の「樋口顕」に任せておこう

それにしても刑事物シリーズで
警視庁内部の犯罪が多いのはどうしたことだろうか?
「今野敏」しかり、「原リョウ(漢字が出ない)愚か者死すべき」しかり
意表をつく題材なのか
現実に即しているなんてことはあってはならないが
「・・またか」と思う。
コメント (2)
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