日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

鎌倉旧大佛次郎茶亭

2010-06-23 | 自然・風景
日曜日の鎌倉の続きです。

鶴岡八幡宮の近くの小路を歩きながら、昼食の出来る所を探していた。
路地は住宅ばかりで諦めて大通りに出ようとしていたが
瀟洒な門の前にお品書き
深入り珈琲、抹茶、ビール、シャンパン全て1500円、
横には、野尻邸「旧大佛次郎茶亭」と「日曜日のみ営業」の看板
3年前に「今度日曜日にこようね」友人と放していた場所だった。
お茶に1500円は贅沢だが、吸い込まれて入った。



玄関、お庭ともに人影はなし
「ごめんください!」3回くらい声を上げると、
楚々とした若い方が「いらっしゃいませ」と小声
「椅子席は一つだけあります」



案内されたお部屋で思わず「いいですね!」
大佛茶廊スペシャルブレンド「深煎り珈琲」を所望
ゆったりとしたモノモノの椅子に座るとそこは別世界
低い軒先に青々とした木々
楚々若さんが引込むと人影はなし・・
ゆったりと寛ぎ至福の一時のはずが、
庭サンダルで別室の探索と木陰の探検



声を掛けられて戻ると、焼き菓子に珈琲
深入り珈琲は香りたっぷり、渋み押さえ気味のいいお味



3帖の小間には隅炉に吊り釜の金物の付いた天井(由緒正しき杢目)



お隣の広間は2間の床の間にお仏壇
その他2室でお接待が出来るようにしつらえてある。



大正8年頃の数寄屋建築だが、小説家大佛次郎がお客さんの接待に使われていた。
大佛次郎の作品は「鞍馬天狗」「天皇の世紀」などと説明された。

珈琲を味わい、お菓子をいただき、目だけは壁、天井、開口部と彷徨う
窓をサッシに変えたのは寂しい限りだが
軒の網代天井、床の杉の鏡天井、部屋内の竿縁天井、
75センチの面皮の柱に刺さる鴨居には3本の溝など
職人技に感嘆した。

たった一人の贅沢な空間だが、会議の時間が迫り後ろ髪を引かれつつまた路地へ

大満足でした。
コメント
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