'12年始めの上下刊
宮本輝著「骸骨ビルの庭」講談社文庫
’11年はパトリシア・コーンウエル「核心」に始まり
31日黒姫にて宮部みゆき著「あんじゅう」までの46冊読破した。
中でも印象的な本は 高村薫著「神の火」
若狭湾の原子力発電所に侵入し自滅をする男達の物語
昨年から続く福島第二原発の被害の過酷さにおののきながら読んだ。
仕事柄建物の名前や建築業界のミステリー本にはつい食指が動く
「骸骨ビルの庭」は文庫化を待ち望んでいた本だった。
大阪十三に建つ戦前のビル
いつの間にか戦災孤児達が住み着き
いつの間にかモダンなビルは骸骨ビルと呼ばれるようになり
戦地から復員して来た若者(パパちゃん)と
肺結核で死に場所にした友人の茂木さん
二人は成り行きで孤児達を養い、巣立たせた。
食糧難の時代を貸室と庭先の菜園で乗り切り
ビルは他人のものになり高層の共同住宅となる計画になったが
成人した孤児達と友人の茂木さんが居座り、壊す事が出来なくなった。
物語の主人公はビルの管理人兼立退き請負人として住み付く。
孤児達は探偵、ダッチワイフ製造、おかまちゃん、食堂の小母さん
ヤクザ屋さん、業界新聞社など一癖も二癖もある人達に
隣はラブホテル
悪い人は一人も出て来なくても問題は根深い
主人公はただただ住み続け、
住人に話しを聞き、読書にふけり、食堂で料理を習い、野菜畑を造り、
三ヶ月間で見事全員の立ち退きを成し遂げる。
これだけを書くと退屈な内容に思えるが
どうしてどうして、
そこには戦後の食料事情と現代の自然農法と
人々の心の機微が描かれている。
孤児達に影響され、茂木さんに影響され
知らず知らずのうちに皆に影響を与えていた主人公
早期退職をして一時の管理人になったが
この物語の後の成り行きも知りたい気にさせる
宮本輝のお勧めの上下巻です。
宮本輝著「骸骨ビルの庭」講談社文庫
’11年はパトリシア・コーンウエル「核心」に始まり
31日黒姫にて宮部みゆき著「あんじゅう」までの46冊読破した。
中でも印象的な本は 高村薫著「神の火」
若狭湾の原子力発電所に侵入し自滅をする男達の物語
昨年から続く福島第二原発の被害の過酷さにおののきながら読んだ。
仕事柄建物の名前や建築業界のミステリー本にはつい食指が動く
「骸骨ビルの庭」は文庫化を待ち望んでいた本だった。
大阪十三に建つ戦前のビル
いつの間にか戦災孤児達が住み着き
いつの間にかモダンなビルは骸骨ビルと呼ばれるようになり
戦地から復員して来た若者(パパちゃん)と
肺結核で死に場所にした友人の茂木さん
二人は成り行きで孤児達を養い、巣立たせた。
食糧難の時代を貸室と庭先の菜園で乗り切り
ビルは他人のものになり高層の共同住宅となる計画になったが
成人した孤児達と友人の茂木さんが居座り、壊す事が出来なくなった。
物語の主人公はビルの管理人兼立退き請負人として住み付く。
孤児達は探偵、ダッチワイフ製造、おかまちゃん、食堂の小母さん
ヤクザ屋さん、業界新聞社など一癖も二癖もある人達に
隣はラブホテル
悪い人は一人も出て来なくても問題は根深い
主人公はただただ住み続け、
住人に話しを聞き、読書にふけり、食堂で料理を習い、野菜畑を造り、
三ヶ月間で見事全員の立ち退きを成し遂げる。
これだけを書くと退屈な内容に思えるが
どうしてどうして、
そこには戦後の食料事情と現代の自然農法と
人々の心の機微が描かれている。
孤児達に影響され、茂木さんに影響され
知らず知らずのうちに皆に影響を与えていた主人公
早期退職をして一時の管理人になったが
この物語の後の成り行きも知りたい気にさせる
宮本輝のお勧めの上下巻です。