日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

山本周五郎著「季節のない街」

2012-03-15 | 読書
カバーの絵で買ってしまった文庫本
山本周五郎著「季節のない街」昭和45年刊
カバー装画は畦池梅太郎
現場作業系の意匠に何故か方位磁石
ヒゲ面ながら悟り切ったか諦め切った目つき



昭和初期の繁華街の裏に住む貧しい人達
毎日の食べ物を手に入れるだけで必死

口は達者でイッチョマエながら
子供に寄生する親(?)

妻子をガミガミ怒鳴りつけながら何も出来ない男

仮想の運転手になり切っている暮らす男の子

現実味のない人達が貧しく明るく暮らす街

ジメジメとした掘っ建て小屋以下の住い

それでも悲観することなく、飢え死にする事なく
どうにか生きている。
端から見ると気の毒で滑稽だけど
本人達は気のどくでも滑稽とも思わずにいる。

へ理屈で正当化して矜持を保つ人達。


孤独死、孤立死がマスコミを賑わせている今の世の中
他人の助けを借りるより、名誉ある孤独でありたい!
そんな人も居るに違いないが
助けを求める人と区別しにくいのが悲劇

一人で逝きたい人に無理矢理手助けを押し付けるのもなあ~~

テレビを見ながら「助けられたのに!」
と思う私もいて・・
コメント
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