日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

宮部みゆき著「ばんば憑き」

2012-08-16 | 読書
新人物ノベルス刊 江戸怪異譚集 宮部みゆき著「ばんば憑き」



2012年に角川書店から刊行された江戸の市民が恐れた怪奇なお話6編

流行病が蔓延し、お救い小屋が作られる
そこで働く身寄りの無い女中
人には見えない掛け軸の絵、特別な存在の人・・「坊主の壷」

江戸の長屋に住む隠居
子どもたちと遊んでいて影が一つ多い事に気付く
不幸な死に方をした子供の影だけが残されて
子供達と一緒に遊んでいる・・「お文の影」

江戸時代だからこそありそうな物語6編

中でもリアルに「絵」として浮かぶ「野槌の墓」
傘張り、代書屋など便利屋を営む子持ちの浪人
娘の知り合い(?)の三毛猫に頼まれて
妖怪値なった木槌を退治する
三毛猫が色気たっぷりな姐さんに化けて現場の案内と説明をする
姐さんの顔が話に依って猫に見えたり姉さんになったり・・
アニメ頭で楽しんでしまったが
人を殺めた道具類は、道具を越えた苦しみで気が狂う
そして妖怪の道を歩む

・・いかにも、と感じさせ
江戸の登場人物達は驚きながらも妖怪を受け入れる
宮部みゆきの「悪い人はいない(滅多に)」思いと
きめ細やかな人物像

宮部みゆきの人気の元となる事を存分に感じさせる一冊
読んでみて下さいね。
コメント
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