日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

天野節子著「彷徨い人」

2015-01-06 | 読書
昨年はあまり本を読まなかった。
例年なら月に4冊位読む筈が、昨年は月に2冊チョイしか読んでいなかった。
どうしていたんだろう??

そんな昨年の「赤猫異聞」前に読んでいた1冊

天野節子著「彷徨い人」幻冬社文庫刊



天野節子は「氷の華」「目線」「烙印」に続く4冊目
ごく普通の市井の人々の心理を描き
ちょっとした大事なものを手放したくないがゆえに
人を殺めてしまう・・物語を進める。

親しい女友達4人で旅行を計画していた
突然そのうちの一人が行けなくなり、
お友達ではない人が代理で行くことになった。
楽しい1泊旅行を済ませ、それぞれが家路についたが
一人だけ帰らず行方不明になる。

行方不明の一人を捜す実姉と急遽代理で参加した女性
それぞれが不明の人を捜すが・・

平凡に家庭の不満を口にせず「こんなもん」と暮らしていた。
家族に受け入れてもらえない事は、少し我慢をすれば良い
そんな心境がいつしか、心の底に折りの様によどみ
初めての夫婦喧嘩、
最初で最後の夫婦喧嘩になった。

捨て置けない老母を連れて行く先は・・

人の我慢には何事も限界がある
気持ちを抑えて我慢し続けてはいけない

我慢せずとも一緒にいられる人を見つけなくてはならない
諦観し過ぎてもいけない・・

我慢袋にもキャパはあるもの
瀬戸際に立つ前に逃げ出そう
逃げ出せる方法を考える事も大事

そんな事を感じさせる一冊です。
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