魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ベニシジミ

2022年04月25日 21時45分49秒 | 昆虫・クモ

久しぶりにいいお天気。庭で魚の撮影をしていると、今年も出現しましたベニシジミ。職場でもニホントカゲとニホンカナヘビが楽しく日向ぼっこをしていたが、暖かいというよりは暑かった^^;

綺麗に撮影されている方もおられるが、我が家の個体は接近をなかなか許してくれない。遠くからズームで撮影するので、ちょっと画質が悪くなる。いずれにせよ昆虫が多いというのは楽しいこと。楽しい季節がやってきた。

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コイが酷魚になる日

2022年04月24日 20時34分11秒 | 環境問題

さて。みなさん。こんばんは。

今回は久しぶりの環境問題の記事。本来はようつべでアップする予定であったが、あまりにも仕事が忙しく結局旬を過ぎてしまったのでこっちでアップする。

最近三重県の河川にコイを大量に放流して話題になったが、いまだにこんなことやっているところがあるのかと驚かされる。しかも「環境美化」や「魚がいっぱい住めるような河川にしたい」というのが理由だとか。環境美化のために色のついた美しいニシキゴイを放流するのでは中国でかつて行われニュースにもなった「はげ山をペンキで緑化」と何も変わらないし、コイは大食いでなんでも食し排せつの量もすごい。やがてはヘドロになり堆積されてしまう。さらに「魚がいっぱい住めるような河川」というならコイは小魚を食べてしまうこともあるし、小魚の餌になる微小な生物もコイはよりたくさん食べてしまう。水草もコイの好物だから、魚種によっては産卵場所までなくなってしまう。

コイを日本の国の「国魚」にしようとする意見がある。浜田靖一元防衛大臣が会長をつとめる「ニシキゴイ議連」というものが発足している。産經新聞の記事では小泉進次郎厚労部会長が「田んぼにコイが泳ぐ養鯉池の景色は外国人も感動する」などと述べていたが、やがて大雨で氾濫しそこから抜け出してしまい問題になるのは想像ができる。しかもご存知この小泉氏はのちに環境大臣にまでなる人物なのである。本当に駄目かもしれないこの国。そもそも外来生物であり、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されているオージャンカラーカープを国魚とすること自体もどうかと思うのだけれど。これでは酷魚である。

なおコイは外来生物の種であるが、コイ属というくくりでは、在来のコイ属の魚も存在する。しかしこの種は現在は琵琶湖の一部にいるだけらしい。大昔からコイ属の化石は日本で発見されていたが、本当は昔はもっといろいろなコイ属がいたのに、いつのまにかコイに変わってしまったのかもしれない。

Yahoo!ニュースなどのポータルサイトでは意見も色々見られるが多く目立つのは「日本の自然の川にニシキゴイは似合わない」というもの。しかし、ニシキゴイでなければいいのか。そうではない。もともといなかった魚を河川に放つのはどんな場合でもいけないのだ。交雑とそれによる系群の減少および不稔の問題、他生物とのバランスが崩れるのがその理由である。さらにいえば採集した生物を飼育し河川に逃がすこともまた問題である。道徳上での問題もあるが、道徳を馬鹿にする人でもわかるようにいえば、寄生虫の問題、さらに感染症の問題(18年前のコイヘルペスをもう忘れている!)、水の中の成分の問題etc...。

というか、こんな記事は5年も前にほとんど同じ内容の記事を書いたような気がする。というか5年の月日が流れてもいまだに改善しないのかこの国は。はぁ~。やっぱり環境行政はアクアリストとかそういう人がやるべきだーねー。

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オジロバラハタ

2022年04月23日 22時22分02秒 | 魚紹介

以前記事を書いたのですが、消されてしまったので再度書き直し。以前に入手した魚をご紹介。スズキ目・ハタ科・バラハタ属のオジロバラハタ。

バラハタ属には2種が知られている。バラハタとこのオジロバラハタである。オジロバラハタはバラハタよりもサイズがやや小さい。しかし尾鰭の形状や成魚の胴体の色彩などはバラハタと似ているところがある。

しかし尾鰭の色彩はバラハタとは大きく異なる。バラハタは尾鰭縁辺が幅広く黄色く縁どられるが、本種では尾鰭の後縁が白いのだ。しかしこの尾鰭後縁が白い魚というのはほかにも何種かいるのだが、いずれも白バックで撮影する私にとっては苦手な魚である。

バラハタ(上)とオジロバラハタ(下)の尾鰭の比較。先ほど述べたように尾鰭が黄色く幅広く縁どられるのがバラハタ。幅が狭く白く縁どられているのがオジロバラハタ。この仲間は英語でLyretailと呼ばれているが、Lyreとは琴の一種で尾鰭の形にちなむ。なお英語でオジロバラハタはWhite-edged lyretailという。バラハタはYellow-edged lyretailで、それぞれの特徴がわかりやすい英語名となっている。ながらく1種とされていたバラハタ属だが、1953年に本種が新種記載された。タイプ標本はモーリシャスで採集されたもので、東アフリカからサモアまでのインドー太平洋域の広い範囲に分布している。国内では九州以北からも採集例があるが、琉球列島や小笠原諸島に多い。トップ画像は長崎産だが、尾鰭の写真は小笠原諸島の産である。

オジロバラハタもバラハタ同様に食用魚として流通している。バラハタより小型であり安価と思いきや、色鮮やかなことや小型でシガテラ毒をもつことがほとんどないとされ、バラハタよりもわずかに市場価値が高いという。観賞魚として販売されていることもあり、その場合も幼魚が白っぽいバラハタより価値が高いかもしれない。ただし、大きくなり小型水槽で飼育できないので注意しなければならない。バラハタの別名は「ながーじゅーみーばい」であるが、本種もそう呼ばれていたように思う。

小笠原諸島産のオジロバラハタ。長野 淳さんから購入。いつもありがとうございます。

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オリーブヒメスミクイウオ

2022年04月22日 22時31分00秒 | 魚紹介

鰭がぼろぼろになっているが、非常に珍しい魚が届いたので紹介したい。ホタルジャコ科・スミクイウオ亜科(スミクイウオ科に昇格する意見もあり)・ヒメスミクイウオ属のオリーブヒメスミクイウオである。

オリーブヒメスミクイウオの名前は、体が細長くオリーブの木の葉のような形状をしていることからきているという。体が細長いほか、顔つきもほかのヒメスミクイウオとだいぶ異なっている。これまで見てきたヒメスミクイウオ2属のうち、ヒメスミクイウオとは鋤骨歯の形状が異なるのも特徴である。ヒメスミクイウオでは鋤骨全体に歯があるが、オリーブヒメスミクイウオでは鋤骨の両端にのみ歯があるという違いがみられる。もう1種私が見てきたヒメスミクイウオ属の種であるバケスミクイウオは体形が異なるほか、臀鰭棘数にも違いがみられる。ただし、バケスミクイウオの小型個体では臀鰭棘が2本しかないこともあるので注意が必要である。

ヒメスミクイウオ属の魚は遊泳性が強く、中層から深層を泳ぎ回っているようのかもしれない。そしてほかの魚の餌になることもあるが、自らも強い歯で小魚や甲殻類などを捕食するハンターであるらしい。日本では土佐湾と日向灘に分布し、海外ではフィリピンやバヌアツ、オーストラリア西岸など東インドー西太平洋に生息するが、国内でももっと広い範囲に分布している可能性がある。見た目も地味だしムツの幼魚やハゲヤセムツあたりと漁師さんも勘違いして投棄しているという可能性もあるだろう。

そんなオリーブヒメスミクイウオを今回は唐揚げにして食べてみた。あまり大きくなく、味もほとんど感じないのだが、それでも骨ごとばりばりと食べることができ、それなりに美味しかった。今回のオリーブヒメスミクイウオは「深海魚ハンター」さんにいただいた個体。ありがとうございました。

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ヨロイヒメキチジ

2022年04月21日 13時31分24秒 | 魚紹介

この間のハナガサヌメリははじめて見るイナカヌメリ科の魚だったのですが、今回も私にとっては初めて見る科の魚となる。ヒメキチジ科・ヒメキチジ属の深海性魚類であるヨロイヒメキチジ。

ヒメキチジ属は長らく日本近海には1種だけとされていたが、分類学的な再検討が行われ、日本にはヒメキチジ、ヨロイヒメキチジ、パラオヒメキチジの3種生息することが分かっている。本種は2021年に新種として記載されたものである。なお「ヒメキチジ」という名前ではあるが、キチジとは近縁というわけではないようだ。日本産ヒメキチジ科はヒメキチジ属とバラハイゴチ属の2属からなり、バラハイゴチ属に含まれるバラハイゴチも同様に深海性の魚である。

ヨロイヒメキチジは長らくヒメキチジと混同されてきたものである。一部の書籍などではヒメキチジの種の写真に本種の写真を使っている可能性がある。そのため違いは微妙で、わかりにくいのだが、このヨロイヒメキチジは頭頂棘が長く体長の7.4~11.1%であるという。また生鮮時は尾鰭の色彩もヒメキチジとは異なるので見分けることができる。本種では尾鰭の後方に赤い線があり、尾鰭後縁は白いことによってヒメキチジと見分けられる。ヒメキチジでは尾鰭後縁が幅広く赤く縁どられているので見分けることができる。

ヨロイヒメキチジは駿河湾、熊野灘、土佐湾、沖縄トラフなどに生息する。この個体は日向灘産である。分布域の一覧にはないが、土佐湾~沖縄トラフの間にあるので、普通に分布しているのだろうと思われる。海外では台湾に分布する。底曳網で漁獲される魚であるが、食用となることはほとんどないようである。今回も「深海魚ハンター」さんからの個体。いつも、ありがとうございます。

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