今の日本国民は健全であり、常識的なコンセンサスがあると思う。それでも民主党に政権を委ねてしまった苦い経験がある。マスコミがこぞって自民党政権に難癖を付け、それに国民も騙されたのである▼朝日新聞によれば、民主党の枝野幸男幹事長は昨日、さいたま市での講演会で共産党などとの関係について「民主党として、いま合意しているのはここまでであるし、おそらくここまでだろうと思っております」と語った。枝野の特有な無責任は発言であるが、選挙対策のための単なる党利党略である。中共の侵略が差し迫っている現実を全く無視しており、政治的なプロパガンダとして安保法案に反対することで、安倍内閣を退陣に追い込もうとしているからだ▼常識が通用しなくなれば、人間が誤った選択をすることを問題にしたのがハンナ・アレントであった。「全体主義プロパガンダは、常識が意味を失ったところだけでは、いかに常識を面罵しようと咎を受けずに済む。しかし人間というものは、アナーキックに蔓延する、それぞれの恣意に委ねられた没落のただ中でなす術もなく生きてゆくか、あるいは一つのイデオロギーの硬直し狂気じみた首尾一貫性に身を捧げるかという前代未聞の選択の前に立たされたときには、必ず後者の後者の首尾一貫性の死を選ぶ、そのために肉体の死すらも甘受するだろう」(『全体主義の起原1・2・3』大久保和郎、大島通義、大島かおり訳)。私たちはあくまでも常識を重んじるべきなのであり、全体主義プロパガンダの政治に左右されてはならないのである。
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