田原総一朗を評価する人間の気が知れない。あくまでも受けを狙っているに過ぎず、一貫した主義主張などは持ち合わせていないからだ。バランス感覚を重んじる中庸というのとも別である。単なる大衆迎合なのである。歴史上に残る思想家でないことは明らかだ。田原はジャーナリズムとしての権力批判にこだわるあまり、安倍首相をこきおろしたり、自民党を攻撃するのは正しいが、野党の非をあげつらうのは弱い者いじめに見えるようだ▼東アジアの危機的な状況が抜け落ちているから、そんな寝言を言えるのだろう。日本人が結束しなければ、外敵に抗することが難しい。今の野党のように国防安全保障について安倍首相の揚げ足を取るようでは、日本の存立は危くなる。田原はそれを熟知しているくせに、野党の応援団を買って出たいのである。安倍首相のやりかたを全面的に賛同しなくても、現状では指導者として頑張ってもらわなくてはならない。戦争の危機が刻々と迫っているからだ。もはや日本人同士で争っている段階ではないのである▼東京帝国大学総長となった山川健次郎は、戊辰戦争で白虎隊士として戦ったこともあり、敗者としての会津の悲劇を目の当たりにした。それだけに非常時においては国民が一致することの大切さを説いていた。平時であれば安倍首相をこきおろすのもいい。しかしながら、いつ戦争が起きても不思議ではない状況下では、田原のような意見は外敵を利するだけなのである。
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