草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

論理優先の魔術から抜け出せないインテリを批判した竹山道雄!

2016年03月29日 | 思想家

安保法案を「戦争法案」と批判する人たちは、日本国憲法の前文に書かれている「諸国民の公正と信義」を絶対視している。日本を取り巻く安全保障環境や、アメリカが東アジアから手を引こうとしている現実よりも、平和ボケした理想にもとづく上からの演繹なのである▼竹山道雄は「論理によって事実を逆立ちさせ、ついに痴愚への論証にいたる」ことの危険性を、『昭和の精神史』において厳しく断罪した。「人間は外界によって直接動かされるのではなく、外界について彼がいだいているイメージによってうごかされるのだから、かくて成立した世界把握が大きな力となって社会をうごかす。それは科学になをかりながら、むかしの魔術を思わせる」とも論評した▼インテリほどその魔術の影響下に置かれるのである。竹山は「インテリほど論理にたよって判断するから、インテリほど魔術にかかっている」のを見抜いたのである。魔術から抜け出せない典型が朝日新聞や毎日新聞などである。目の前の現実をまったく見ようとしないのである▼これと比べると日本国民はより冷静である。安保法案の必要性を理解し始めているからだ。北朝鮮がいつスカッドやノドンを日本に撃ち込んでくるか分からないのに、中共は日本を侵略しようとしているのに、それに対して身構えようとしないのは、魔術の言葉に幻惑されているからなのである。オールドリベラリストの「心グループ」に属していた竹山には、常識人としての冷静な判断力があった。混迷する時代だからこそ、なおさら竹山のインテリ批判は傾聴に値するのである。

 

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