万太郎も、ここまでは田邊教授の後援も受けて帝大の出入りが許され、新種を発見したり、植物の本を出したりと仕事順調
さらに寿恵子と結婚した後、長女、園も生まれ幸せの絶頂だった。
土佐では峰屋を継いだ綾が、伝統の酒を超える新しい酒造りに取り掛かった。
ここまでは順調だったが、万太郎の業績に嫉妬した田邊が、万太郎の帝大出入り禁止を申し渡した。
万太郎は自分を評価してくれているロシアの学者を頼りに、家族でロシア渡航を本気で決める、寿恵子も反対せず応援してくれる。
渡航費用は峰屋に頼み、生活費は渡航すれば何とかなるだろうという万太郎流の行き当たりばったり作戦。
ところが、突然、園が熱病に罹って死んでしまい、寿恵子は寝込んでしまう。
万太郎が渡航費用を当てにしている峰屋も、新酒の火入れが失敗して全て腐らせてしまう、しかし政府は容赦なく税金を取り立てる。
税金を払うため、竹雄は借金して工面するが結局、峰屋を処分しなければ借金が返せなくなり、処分することに決める。
分家の伸冶が綾と一緒になって本家を継ぐものと思っていた分家の兄弟は、この時ばかりと綾と竹雄を責めるかと思いきや
「助けてほしい」という竹雄と綾に、分家の親父は「分家は伸冶が継ぐことになったから伸冶に決めてもらう」
伸冶は「こんなとてつもない大っきなクジラを、儂の頼りない小船に乗せれば、たちまち沈んでしまうけの、無理じゃ、共倒れするわけにゃいかん」と断る。
分家の親父は「おまえたちは若い、残った金で何とかくらせるじゃろう、墓は儂らが守るけ土佐を出て、どこぞで頑張ればいい」みたいなことを言った。
伸冶は去り際に戻って、綾と竹雄を抱きしめて「元気でな」と言う
信冶の優しさに見直した。
今週は、万太郎、峰屋ともに大ピンチだった、さて来週はどんな展開になるか
峰屋が倒産するのは、万太郎(富太郎)の研究費の無心の部分が大きかったと思っていたが、ドラマは万太郎は関係なく、酒造りの失敗となった。
実際はどうなのか、調べていないし伝記も読んでないからわからない
そのうち牧野富太郎の伝記を読んでみよう。
それにしても大店を受け継ぐと言うのは大変な苦労である
上り調子の時は、独占的にうまくいくが、武家の時代から官僚政治の時代になって大きく世の中が変わったとき、殿様のお気に入りだった峰屋は、新政府になり納税に苦しめられた。
本来、店を継ぐべき万太郎は植物バカで峰屋の大店をあっさり手放して、姉の綾に任せた
万太郎は自分の一番好きな道にまっしぐらに突き進み、綾は言われるままに峰屋を継いだ。
お互い、それが幸せだったのか不幸だったのか、言えるのは自由気ままに好きな道を貫いた万太郎は成功の道を歩み、流れのままに身をゆだねた綾は倒産の憂き目を経験する。
先日のドライブ中にラジオからミニドラマが流れて来た
花火師で煙火工業を営む親父と、家を継がず好きな道に進みたいと言う息子が親子げんかして、息子は家を出ている。
そんな息子のアパートに、妹が来て「今夜の花火はどうしても、お兄ちゃんに、お父さんが見せたいから連れて来いって」
嫌がる兄を妹が無理やり会場に連れていく
そして見事な花火が上がったあと、花火師の親父がアナウンサーのマイクを取り上げてしゃべりだす。
「かあさんに聞いた、おまえはやりたいことがあるんだってなあ、何も聞かずに頭ごなしで勘当だなんて言って悪かった。 おれも親父から跡を継げと言われて、その時、やりたいことがあったが何も言えずに後を継いだんだ、おまえの気持ちはわかる、おまえはお前の好きな道に進め、父さんが悪かった」
息子も突然の父の言葉に絶句してしまう、そして仲直りしましたとさ
めでたしめでたし。
個人商売の後継ぎ問題、後次ぐ問題は私も経験してきたから、その良し悪しは良くわかる。
峰屋のようになれば最悪だ、一方で才覚あってうまく経営できればバラ色の人生を送れる。
でも一つ言えば、長男だから跡を継いで当たり前というのは一歩下がって考えた方が良い。
特に商売を立ち上げた初代はとうぜん自分が大きく育てた商売を一代で終わらせたくないと思うし、自分の成功体験を息子にも味あわせたいと思うのだろう
だが、息子といえども父親と同じとはかぎらない、完全コピーではないのだ
半分は母方の血が混じっている。
商売は才覚と、度胸と積極性、リーダーシップ、この商売が好きという気持ち、それに向上心と研究心、まっすぐな気持ちが無ければやらない方が良い。
中途半端な気分でやれば必ず失敗するか、うだつが上がらないだろう。
その日暮らし的な商売なら、さっさと辞めて好きな道に行くか、勤めに出た方が良い。
この2つのドラマを見て、聴いて、こんなことを思ったのでした。
私も、実際は主人公の度重なるお金の無心が原因で実家が潰れたと聞きました。
なのにドラマでは酒屋を継いだ綾のせいになって、かなりショックでした。
自分が女だからかもしれませんが。。
子供の頃から酒造りに憧れて信念もあった綾。
「女は汚れているから蔵に入ってはいかん」と言われ
「男に生まれたかった、男だったら酒造りができたのに」と泣いた綾。
その後、時代も変わりつつあり晴れて酒屋を継ぐことができた綾。
なのに。。あのような結果では。。
「ほら見たことか、女が蔵に入るからじゃ」と言われそう。
分家の人たちは立派だったけど、見ている人は少なからず
そういう風に感じた人もいるような気がして悲しかったです。
江戸時代を藩の御用商人として(おそらく)設けて来た大店が、一度の失敗で1年間棒に振っても倒産してしまうなんて?です。
貯えて来た財産は半端ないと思いますが。
コロナ禍で2年を棒に振った観光業や飲食業でも、貯えや融資で生き延びていますからね。
まあフィクションだと思って流して見ようと思います。
このパソコン、漢字変換が前後の文脈を全く無視するので安心できません。