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もう一人のお隣さん

2006-06-15 10:06:29 | Weblog
昨日の朝雨戸を開けに座敷に入ると、あんまり嬉しくないお隣さんが畳を這っていました.長さ20センチもあろうかと思われるムカデです.朝のひんやりとした気温でゆっくりと這っていましたが、大きな紙袋を開けて目の前に突きつけた途端スピード感溢れる捕り物劇になりました.何とか袋に収まってもらって、庭のさつきの上に逃がしました.さつきの枝の上にとまった(?)ムカデは、幅が1センチもあるかのように見えました.ヤレヤレ!

もう27、8年も前のこと、次女が生まれた時の事です.5月の末ですからちょうど今の季節、産後寝たり起きたりしていた時期でした.4歳になったばかりの長女典子はムカデに足を噛まれました.小さな足は赤く腫れ、さぞや痛かっただろうと心を締め付けられながらアンモニア液を塗りました.そして極めつけは夜中に起こりました.ふとザワザワ、ザワザワという異様な物音に目を覚ましました.何と大ムカデが襖を這っているではありませんか.子を生んだばかりのメス虎に変身した私は、子に危害を及ぼす畏れのあるものはすべて排除せんとムカデ退治に取りかかりました.すばしこいムカデは押入れに逃げ込んで私はムカデを見失ってしまいました.

心配で寝るに寝られません.じっとあの異様な音に聞き耳を立てて暗い中待っていました.するとまたあのザワザワザワザワという足音が聞こえてきました.俄かに灯りをつけて蝿たたきで力任せに叩きました.しかし襖が柔らかいので叩いても効果がなく、何かの拍子に蝿たたきにムカデがついて、事もあろうに生まれたばかりの次女のベッドに飛んでいってしまいました.慌てふためいてどのようにしてムカデをベッドから払い落として捕まえたのか覚えていません.赤ん坊も私も噛まれなかったのは事実です.それから玄関のたたきに持って行ってこれでもかと我ながら後では呆れるほど叩きました.翌朝隣の部屋で典子と寝ていてくれた姑から、「ああ、ムカデやったとねえ」と言われました.ムカデの屍骸は、縮んでずんぐりむっくり、10センチくらいになった大ムカデでした.ムカデさん、ごめんなさい.でもあの時は正直憎かった(?)んです.

ムカデって何を食べてるかご存知ですか?噛み付くからといって人間は食べません.コガネムシやゴキブリを食べているんです.他にも何か食べているのは間違いありません.イザナミノミコトの黄泉の国の饗宴にも加わっていたのですから、死の国からのお掃除やさんかもしれません.ゴキブリ等、甲虫の天敵なんでしょうか.命あるところに食あり、食あるところに命ありです.宇宙は食によってつながっているんですね.私達の周りにゴキブリがいるならムカデもいるわけです.此処でやっとマクロビオティックの話(?)になりました.10年位前にムカデがコガネムシを食べている現場に遭遇しました.何ともユニークな食べ方でびっくりしました.自分の頭をコガネムシの殻の中に突っ込んで食べていました.そんなに無用心にしていて、鳥から狙われないのでしょうか.人間の勝手な主観には可愛い蛍と異様な姿のムカデですが、同じお隣さんには違いありません.朝の洗面台に居たり、お風呂場で遭遇したり、壁を這っていたりギョッとさせられてはいますが、外に放り出させてもらって共存しています.ちなみに私はまだ噛まれたことがありません.これからもよろしくと頼んでいます.
コメント (4)
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