今夜(先日)のお軸は、蝉が一匹。
漢文漢詩的には、蝉はこの時期によく登場する題材の一つである。
中国では秋蝉(しゅうせん)といわれ、騒がしい比喩に使われたり、
また地中から出てきたセミは復活の象徴とされている。
玉(ぎょく)などをセミの姿に彫り、復活の装飾品にしている。
今夜のお題は、北宋の政治家であり文人として名を馳せた王安石の
「題西太一宮壁」。漢詩としては珍しい六言絶句である。
柳葉鳴蜩綠暗,
荷花落日紅酣。
三十六陂流水,
白頭想見江南。
非常に高いレベルの詩のようだが、われわれにはその凄さは読みとれない。
訳すならば、
柳葉鳴蜩緑暗
柳の樹でセミが鳴き、柳の葉が色濃く繁り暗くなっている。
つまり、騒がしい批判の声があがっており、鬱陶しい。そんな時期の暗さを表現している。
荷花落日紅酣
蓮の花は、沈もうとする太陽に花が紅に染まっている。
今は絶頂期であるものの、やがて衰頽期を迎える。
三十六陂流水
三十六の湖沼が四方八方に広がって流れている。
白頭想見江南
これを見ると故郷の江南を思い浮かべ故郷を聯想(れんそう)する。
そこで隠棲したいものだと想いを馳せる。
ということになる。
蝉を引用しながら、柳の草色、太陽の赤、流水の水色(茶色?)、
そして白髪の白など、文字で色合わせを楽しんでいる。
人生の終焉には故郷を偲ぶのは人の常なのかもしれない。
中秋にはやはり雁が音があう。
漢文漢詩的には、蝉はこの時期によく登場する題材の一つである。
中国では秋蝉(しゅうせん)といわれ、騒がしい比喩に使われたり、
また地中から出てきたセミは復活の象徴とされている。
玉(ぎょく)などをセミの姿に彫り、復活の装飾品にしている。
今夜のお題は、北宋の政治家であり文人として名を馳せた王安石の
「題西太一宮壁」。漢詩としては珍しい六言絶句である。
柳葉鳴蜩綠暗,
荷花落日紅酣。
三十六陂流水,
白頭想見江南。
非常に高いレベルの詩のようだが、われわれにはその凄さは読みとれない。
訳すならば、
柳葉鳴蜩緑暗
柳の樹でセミが鳴き、柳の葉が色濃く繁り暗くなっている。
つまり、騒がしい批判の声があがっており、鬱陶しい。そんな時期の暗さを表現している。
荷花落日紅酣
蓮の花は、沈もうとする太陽に花が紅に染まっている。
今は絶頂期であるものの、やがて衰頽期を迎える。
三十六陂流水
三十六の湖沼が四方八方に広がって流れている。
白頭想見江南
これを見ると故郷の江南を思い浮かべ故郷を聯想(れんそう)する。
そこで隠棲したいものだと想いを馳せる。
ということになる。
蝉を引用しながら、柳の草色、太陽の赤、流水の水色(茶色?)、
そして白髪の白など、文字で色合わせを楽しんでいる。
人生の終焉には故郷を偲ぶのは人の常なのかもしれない。
中秋にはやはり雁が音があう。